~おわりとはじまり~・おまけスキット
~借り物の力~
デュー「借り物の力、か……」
水辺の乙女『どうしたのです?』
デュー「いや、あいつにはああ言ったけどオレだって……お前がいなきゃあいつを浄化なんかできなかったんだよなって」
ミレニア「むーん……」
豪腕の焔『何を言い出すかと思えば、いつになくちっちぇーな!』
デュー「あ?」
水辺の乙女『私達は誰にでもすぐにでも力を貸す訳ではありませんよ』
荒ぶる地獣『課された試練を乗り越えるか、気に入られるか……どのみち簡単な話じゃないんだゼ』
豪腕の焔『お前らの今の力は、間違いなくお前ら自身が勝ち取ったものだ。もっと胸張ってけ!』
清き風花『そうですよ、あんな無理矢理奪い取った力と一緒にしないでください!』
デュー「お前ら……」
ミレニア「そうか、それじゃあありがたく使わせていただくかの!」
豪腕の焔『おう、使え使え!』
水辺の乙女『私達は、あなた方に託したのですから。誇りなさい、デュー』
デュー「……わかったよ」
~それぞれの役割~
万物の王『身軽な者が敵の気を引き付け、戦略を得意とする者が動きを止め、力自慢が必殺の一撃を当てる……』
ミレニア「うまく決まれば勝ち確定のパターンじゃ!」
ランシッド『バランスよくメンバーが集まっているのもあるけど、連携を可能にしているのはみんなの絆の力だね』
デュー「常日頃からよく連携してるからな」
リュナン「あれ、そうでしたっけ?」
デュー「たとえばミレニアがボケてオグマの天然でなんかリュナンでオチる」
ミレニア「ルナ姐がネタを振ってとりあえずフィノの禁忌に触れたリュナンでオチる」
デュー「その他だいたいリュナンで以下略」
万物の王『見事な連携だな』
リュナン「わーい俺最強!」
荒ぶる地獣『泣くなよ……』
~ロゼット~
ランシッド『ロゼット……』
デュー「もっと早く、ヤツのとこまで辿り着けていたら……」
万物の王『欲深な男だな。本来なら二度と叶わなかった再会なんだぞ?』
ランシッド『……そうだよ。俺は精霊に、ロゼットは結界に、ダクワーズはその中で眠り続けていたから、ほんの一時でもまた言葉を交わすことができたんだ』
万物の王『そうでなければ全員とうに寿命が尽きているはずだ。俺だって代替わりしていたかもしれんしな』
ランシッド『彼女はちゃんと使命を全うできた。だから、悔やむより彼女のことを忘れないでやってくれ』
フィノ「恋話が大好きで、明るくて、とっても強い女の子……」
ミレニア「わしらと何も変わらん、普通の女の子じゃったのう」
イシェルナ「ええ」
トランシュ「女性のことを記憶するのは、君の得意技だろう?」
デュー「お前だってそうだろうが、さらっと擦り付けてんじゃねーよ」
カッセ「……」
デュー「その目やめろって……言われなくても忘れねーよ。でもそれは、ここにいる全員がそうだろ?」
ランシッド『ああ、もちろんさ』
~勝利はしたけど~
リュナン「俺達ついにあいつを倒したんですよね?」
シュクル「障気に満ちた牙の森でまだ実感が湧かぬがな」
ミレニア「大元を倒したからって、ぱぁーっと全部消えたりはしないんじゃのう」
オグマ「そう簡単な話ではないだろうな」
デュー「ともあれ、ブラックカーラント号に戻ろうぜ。王都でゆっくり休みながら余韻に浸るくらい許されるだろ」
イシェルナ「お城のお風呂が恋しいわねぇ」
トランシュ「お祖父様の仏頂面も待っているしね」
スタード「ふっ、くく……そうだな、ひどい仏頂面がな」
デュー「あ、やべー、通信機が王様と繋がったままだったわ」
スタード「!?」
デュー「う・そ♪」
スタード「デュランダルっ!」
デュー「いってえ! 殴ることないだろ教官!」
ミレニア「どうにも締まらんのう」
カッセ「少しは懲りたらどうでござるか……」
~おかえりなさい~
ランシッド『ダクワーズ……』
ダクワーズ「ランシッド様……もう二度と逢えないものだと思っていました」
ランシッド『ごめん、遅くなって』
ダクワーズ「……いいえ」
フィノ「……」
デュー「……」
リュナン「…………」
ダクワーズ「!」
ランシッド『あれ、続きは?』
ダクワーズ「つっ、続きなんてありません!」
スタード「ほらほら皆、あまりじろじろ見るものではないぞ」
ミレニア「ちぇー、なのじゃ」
ランシッド『俺は別に見られても……』
ダクワーズ「良くありません!」
ランシッド『ちぇー』
ダクワーズ「ふん」
ランシッド『……おかえりなさい』
ダクワーズ「……ただいま、戻りました」
万物の王『ようやっとか……ふふふ』
~もう一人のモフラー?~
ダクワーズ「ランシッド様……もう一度あのお姿になってはくださりませんか?」
ランシッド『俺はいいけど体を貸してくれるこのちびすけがねー』
シュクル「誰がちびすけか!」
ダクワーズ「!」
シュクル「な、なんだ?」
ダクワーズ「かわ……っ」
ランシッド『だ、ダクワーズ?』
ダクワーズ「す、すまないが……撫でさせては、貰えないだろうか……?」
ランシッド『なにその恋する瞳!』
シュクル「う……す、少しだけだぞ」
ダクワーズ「ありがとう……」
シュクル「…………」
ダクワーズ「(ああ、小さくてあったかくてふわふわしてお耳は大きくてぱたぱた動いて尻尾がふさふさで……かわいいっ……!)」
ランシッド『そんな俺にも見せたことないような顔して……ダクワーズぅぅぅ!』
フィノ「シュクル君、どうしてダクワーズさんには……!」
デュー「こらそこ、いらん修羅場作るな」
オグマ「修羅場……というのか?」
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