Tales of masquerade

～王城への帰還～・おまけスキット

～どうしてこうなった～

リュナン「俺ってなんでここにいるんでしょうね……」

スタード「なんだ、藪から棒に」

リュナン「だって教官さんもチビちゃんも王都にゆかりがあるからわかるけど、俺はなんにもないしすっごい場違い感というか……」

スタード「新参者の私にはまだよくわからんが、単純に戦力バランスではないか？」

シュクル「割とボケ倒しそうなメンバーにツッコミを投入しただけかもな」

ミレニア「ああ、にゃるほどー」

リュナン「ツッコミならうさ公もできるでしょー！」

シュクル「というかミレニアは自覚あるのか」

スタード「ボケ倒し、とは？」

リュナン「あー……教官さんは気にしなくていいです」

～モラセス王とミレニア～

リュナン「こうして見ると、王様とチビちゃんは似ている部分もありますね」

ミレニア「そうかの？」

モラセス「むう」

ミレニア「わしはこんなどっしりずっしりしとらんし目で殺したりできんのじゃ」

モラセス「私はこんなに騒がしくないが」

シュクル「そう言われればそうなのだが……」

リュナン「なんというか、最強なとことか？」

モラセス「強いことは良いことだ」

ミレニア「じゃの」

リュナン「そうやって、たまにものすごく意気投合してますよね」

モラセス「まあ、気が合わなくもないが」

ミレニア「その辺はまだまだこれからじゃの」

モラセス(どちらかと言うと、ルセットによく似ているんだがな……)

ミレニア「じーさま？」

モラセス「……なんでもない」

～スタードの家族～

スタード「うう、この歳であんな叱られ方をするとは思わなかった……」

ミレニア「強烈じゃったのう」

モラセス「あれでおとなしくなった方だがな、ホイップは」

シュクル「そ、そうなのか？」

モラセス「若い頃は白銀の甲冑を身に纏い、素早い動きと鋭い突きで戦場を駆け抜け、ついた通り名は白の嵐騎士、だったか」

ミレニア「らんきし……か、かっこいいのじゃ……」

モラセス「ちなみに夫のブオルは真逆で豪快に力任せに魔物を叩き潰す姿から暁の荒熊と……」

シュクル「くま……」

モラセス「そんな二人の間に生まれたのがこのスタードだ」

スタード「わ、私はあんな風にはなれませんでしたが」

ミレニア「けどあのフレスとかいう青年騎士はスタードに憧れとるようじゃったぞ？」

モラセス「というか、こいつに憧れる騎士は多い」

スタード「そんな……」

モラセス「自信をもて、スタード」

ミレニア「自分のことになると案外気付かんこともあるからのう」

モラセス「意外とモテることとかもな」

スタード「は？」

モラセス「ふふふ」

～再び、地下へ～

シュクル「また、ここに来ることになろうとはな……」

リュナン「あの時みたいなイヤーな感じはしませんけどね」

ミレニア「それにわしらだって成長しとるのじゃ」

リュナン「そうそう、ばっちり頼れる俺達がついてますよ！」

ミレニア「大船に乗ったつもりでどんぶらこっこじゃぞ！」

スタード「頼もしいな」

シュクル「騒がしいの間違いではないか？」

スタード「しかし油断して足元をすくわれるような事にはなるなよ」

ミレニア「足元確認はスタードがしてくれるのじゃ」

スタード「ふむ、そう来たか」

ミレニア「頼りにしとるぞ、スタード」

スタード「御意に、姫様」

ミレニア「んー、その呼び方はこそばゆいのー」

シュクル「そういえば王族だったな……」

リュナン「素で忘れてた」

～向こうが気になる～

リュナン「今ごろどうしてるかな、旦那……」

スタード「オグマなら大丈夫だと思うが」

リュナン「あっちのメンバー人数少ないし、行き先も極寒のアラザン霊峰だし……」

ミレニア「オグマはあそこの精霊と相性が良さそうだったからのう」

リュナン「それでも心配なんですよぅ」

シュクル「貴様は少しオグマから離れた方が良かろう」

スタード「お前さんが思うより強いぞ、あいつは」

リュナン「うー……」

シュクル「情けない顔をするな、早く戻れば良いだろう」

リュナン「そ、そうですね！　旦那ぁー待っててくださいよー！」

ミレニア(もしかして、旦那旦那とうるさいから敢えて離したんじゃないかのう……)

シュクル(そして誰一人イシェルナの心配はせぬのだな……)