~聖域の決戦~・おまけスキット

~目に見えるもの~


イシェルナ「目に見えるものだけが総てじゃない、ねぇ……」

リュナン「そう言われてもあんなあからさまに道幅オーバーしてるの見たら気になりますよ」

フィノ「もしかして……えい!」

リュナン「あっ、杖が何もないとこで止まった!」

フィノ「ここも見えない地面があるみたいです」

イシェルナ「あら、ここもだわ」

フィノ「わたし達のために目に見えるようにしてくれただけで、本当はもっと広い道があったんですね」

イシェルナ「けど、見えるものだけにとらわれてたらここを進む気は起きないわよね」

リュナン「どう見ても、真っ逆さまに転落コースですもんねえ」



~デューのモットー~


ミレニア「いいと思ったら素直に、のう……」

イシェルナ「前々から思ってたんだけどもしかしてデュー君、子供になる前はモテてたんじゃないの? 二股どころか三股とか」

リュナン「付き合ってるつもりもないのに勘違いしちゃった女の子と修羅場とか」

カッセ「ふ、不潔でござる!」

ミレニア「おりょ、ひょっとしてカッセは潔癖かの?」

デュー「黙って聞いてりゃひどい言われようだな」

イシェルナ「あら、イケメン君は意外と一途なのかしらん?」

デュー「オレは一度に一人としか付き合ってないつもりだった!」

リュナン「その口振りだと修羅場は……」

デュー「……おっかしいなー」

カッセ「不潔でござる……」



~魔物となった王~


フィノ「心の隙に付け入って、乗っ取ってしまうなんて……」

イシェルナ「でも、誰にでも起こりうることだと思うわ」

リュナン「人は、そんなに強くありませんからね」

オグマ「それでも、王は戻って来られた。多少強引で力ずくなやり方ではあったが……」

デュー「……取り憑かれてたからって、やっちまった事が消える訳じゃない」

オグマ「デュー、それは……」

デュー「だから、王様はちゃんと城に戻って、迷惑をかけた人達、心配をかけた人達に謝らなきゃいけない」

カッセ「デュー、どの……」

スタード「成る程、成長したんだな」

デュー「皮肉なことに、今回の旅が切っ掛けでな。聖依獣狩りなんて取り憑かれてなきゃそんな命令下らないだろうし、それで失敗して子供の姿になって、記憶なくして、わかったことだらけだ」

ミレニア「たっかい授業料じゃのう」

デュー「出世払いできりゃいいけどな」

スタード「……強いな、お前たちは」



~カミベルのイメージ~


リュナン「俺、結界の巫女さんってもっと綺麗で儚げなイメージだと思ってましたよ」

デュー「美人だったじゃねーか」

リュナン「いやそういう意味じゃ綺麗だったけど、なんかこう……」

イシェルナ「あら、あの王様の心を射止めたんだもの。綺麗なだけじゃないでしょう?」

フィノ「すっごく魅力的なお姉さんでしたね」

ミレニア「くっついたら案外かかあ天下になってたのかもしれないのう」

イシェルナ「そうかもね。王様は彼女に首ったけだし」

リュナン「なんか、うちの女性陣と気が合いそう……」

デュー「だな」



~はじめての聖依獣~


スタード「それにしても、ここが聖依獣の里か……」

フィノ「いろんなもふも……聖依獣さんがいますね」

スタード「そうだな。話には聞いていたが姿かたちがここまでさまざまだとは思わなかった……君もそうだろう?」

カッセ「わ、なんで撫でるんでござるか!?」

スタード「いや、なんとなく」

シュクル「ふふん、驚いたか人間め!」

スタード「ああ、驚いた。君も聖依術で姿を変えたりしていたし、それまで私はてっきりウサ」

シュクル「久々にそのパターンか!」

リュナン「……教官さん、もしかしてボケ担当?」

デュー「変なとこ天然なんだよな」



~もふもふ地獄~


デュー「結果的になんとかなったけど、あれだけ言ったのに来た教官には何か罰を与えないとな」

スタード「は? 罰?」

ミレニア「むーちゃんのもふもふ地獄じゃ!」

スタード「もふもふ……なんだ?」

デュー「特大毛玉もとい聖依獣の長老、ムース様のありがたい抱擁を受けてもらう」

ミレニア「あれだけの毛量、そして巨体に抱き締められたらもふもふに埋まって身動きも息も出来なくなるらしいのう」

スタード「こ、殺す気か!」

デュー「死んだって構わない覚悟でここまで来たんだろ、教官殿?」

スタード「ぐっ……」

デュー「へへ、初めて一矢報いた気分だ」

フィノ「なんてうらやましい罰……わたしにはご褒美です……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る