~孤独抱えしもの~・おまけスキット
~見張りだ!~
ミレニア「スタードがまた無茶をせんように、村中に言って回らんとのう」
イシェルナ「シブースト村の人達の団結力ってすごそうよねぇ」
リュナン「ああ、確かに」
ミレニア「孤児院のちびっこ達だって侮れんものじゃぞ?」
シュクル「そうだな。特にカネルはわんぱくに磨きがかかって手に負えぬし、シナモンはあれでひとをよく見る聡い子ぞ」
イシェルナ「あら、どさくさに紛れてノロケかしらん?」
リュナン「いっちょまえにやるねえ、このこの♪」
シュクル「違うわ色ボケどもが!」
~バレてる……?~
デュー「もしかして教官、オレの正体に気付いてるのか?」
リュナン「まさかそんな、いくらなんでも……」
デュー「いや、教官なら有り得る」
オグマ「あそこでデュランダルの名前を出したのも、偶然ではないと?」
リュナン「子供の姿になってるなんて普通は考えませんけどねぇ」
デュー「王様があんな姿になって飛んでった時点で、もう“普通”は通用しないと考えたんじゃねーのか?」
リュナン「じゃあ正体ばらしちゃったらどうです?」
デュー「それはいろいろと都合が悪いから嫌だ」
オグマ「都合が悪い?」
デュー「騎士時代、あのすかして余裕ぶった面をどうにか崩してやろうとあの手この手で以下省略」
オグマ「悪戯をしたというのか……」
デュー「簡単にかわされて説教されてばっかりだったけどなー」
リュナン「や、やんちゃですねぇ」
デュー「いやぁオレも若かった」
リュナン「やだすごいコメントに困る」
~孤独な王様~
イシェルナ「王様の過去って、想像以上にヘビーだったのね……」
フィノ「なんだか、戦いづらいですね」
カッセ「だが、やらなくては世界が滅びる」
デュー「だな。それに独りだと思い込んでる王様に思い知らせないと」
カッセ「思い知らせる?」
デュー「対等には接することは出来なかったかもしれないけど、殺されるかもしれないのを顧みずに止めに来た部下がいるんだって」
フィノ「あ……」
デュー「それってもう、独りじゃないだろ?」
カッセ「そう、だな」
イシェルナ「うーん、デュー君ってイケメンだったのねぇ」
デュー「なんだよ今更」
カッセ「……少しは照れたり謙遜したらどうでござるか」
~王族の名前~
イシェルナ「王様のお孫さんってことは、ミレニアちゃんって王族なのよね?」
ミレニア「む?」
イシェルナ「確か王族って特別な名前があったんじゃないかしら」
オグマ「ミレニア・レネ・グランマニエだな。レネはグランマニエの王族の女性につく名前、男性ならロイだ」
ミレニア「なんか長ったらしくて仰々しいのう」
オグマ「そ、そう言われてもな……」
ミレニア「まぁいい、わしはわしじゃからの!」
イシェルナ「そうね、なにも変わらないわね」
オグマ「……まぁ、それもそうか」
デュー「毒されてる毒されてる」
~ミレニアのおばあさま~
シュクル「ミレニアがよく自慢げに話していたおばあさまとやらは、王妃だったのか」
デュー「そういや前に城で騎士を相手に大立ち回りがどうこうって」
オグマ「ああ、それはたぶん城を離れる時だな。一番手強いと踏んだスタード殿が留守の時を狙って抜け出したんだとか」
シュクル「ま、まて、それでも追っ手は来たのだろう!?」
デュー「教官抜きでも他にも騎士はいただろ?」
オグマ「迫り来る騎士をかわし、幼いミレニアを抱えたまま城壁を飛び降りて姿を消した王妃は、もはや伝説だとかなんとか」
デュー「いったい何者なんだ……」
ミレニア「おばあさま、かっちょいいのじゃー♪」
~いつもと違う仮面の人~
リュナン「あのグラッセが形無しなんて……」
イシェルナ「ちょっと意外で面白かったわね」
デュー「ま、ガキの前でいつもの調子でやられてもな」
リュナン「大人げない、それこそガキんちょみたいですもんねえ」
フィノ「スタードさんに対する物言いも、心なしか優しかったような……?」
リュナン「あの冷徹ストーカー仮面が優しいぃ?」
オグマ「そこまで言わなくてもいいだろう?」
リュナン「ああもう、旦那こそなんであんな奴にまで優しいんですかっ!」
オグマ「優しいも何も、あの場ではああ言うしかないだろう」
リュナン「うー、なんか釈然としないんですけどー……」
イシェルナ「あらあら、リュナンの方が仮面の騎士さんに御執心みたいね?」
リュナン「んな訳ないでしょ、ったくもう!」
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