第3話 虐めから生き延びた優しき勇者たち

虐待

虐め

虐。

虐げ。


虐めと殺人には境界線は存在しなかった。

貴方はそれでも生き延びた。

母を守るために。

兄弟を守るために。

家族を守るために。

涙すら流れぬ地獄で震えて血を流しながら生き延びた勇者。


生き残ったのである。


僕は殺害された遺族を見た。

文字通り、虐待で殺害された少年の遺族が、泣き叫ぶ、告別式。


泣き叫ぶ、とは、号ぶ人を、初めて見た。


そこにはもはや、それが何であるか。虐めであるか、そうでないか、

そんな次元ではない、ただ殺された少年と、少女と、その家族がいて、


……殺されたのだ。


仮に俺が生きているとするならば、

それは、生き残りに他ならぬ。


虐めは殺人、生き延びた者は優しく家族を守った。

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