異世界短編集

唖魔餅

黄金吐く能力で異世界で一攫千金!

 異世界のどっかの国で金銭不足に悩まされる国があった。

 この国はここ数年経済が思うように働かず、この国だけ金融恐慌状態であった。

「くそっ!このままでは他の国とは貿易ができず!職もない!このままでは破産だ!」

 この国の王であるドウデモイイ2世はこの金融状態に参っていた。

 そのためか、国民に対する税を重くしたり、改革を行うなどと色々試してしてみたが、どれも効果は希薄であった。

 今日も経済を直すため、会議を開いたのであった。

「誰か、この状況を打破する手段はないのか!?」

 王様の声に一人の将軍が前に出た。

「王よ!私に提案がございます!」

「おお!百敗将のメッチャツヨイか。どんな案がある」

 その言葉にメッチャツヨイ将軍は力強く答えた。

「戦争です!戦争して他国から財を奪いましょう!」

 しかし、その言葉に王様は憤り、

「余は戦は嫌だ。もっと平和的な解決がいい。こやつを斬れ」

「えっ」

 王様がそういうと、彼はその場兵士に刑場に連行された。

「やっぱ、戦ばかりしか脳がない奴はだめだな。次」

 その様子を見ていた配下の将や臣下の者たちは先程の彼が取った軽率な行動に誰も意見できなかった。

 そこへ一人の男が現れた。

「俺に任させろ」

「誰じゃ」

 その声と共になんかものすごく羽振りが良さそうな男が現れた。

 彼の姿を見た全員が恐れおおのいた。

「お、お前は・・・!羽振良男!」

「よぉ」

 彼はつかつかと王の前に立つと、

「王様お困りのようだね。私の能力を使って解決させてあげよう」

「ど、どのような方法かね」

 そういうと井伊にっこりと笑い、は口からマーライオンのように黄金を次々と吐き出した。

「「「おおっすげぇ!」」」

 井伊はこれに満足し、皆の衆に向かって、

「これら全てと私の全財産を差し上げます」

というと、王も含めわっと歓声を上げた。

「「「すげぇ!羽振りがいい」」」

 王国の者達のその発言に羽振は満足し、どこかへ去っていった。

 王は羽振から受け取った大量の財宝(全部黄金)を見て、臣下に対して、

「よし!これだけあれば金貨を大量に作れる!これで財政は立て直せるぞ!」

 こうして、王の名の下金貨を大量に作ることにした。

 しかし、羽振が送った金の量はあまりにも多かったため、国中が想像した以上に金貨を余分に造ってしまった。

 結果として黄金の価値が下がってしまい、逆に国内でハイパーインフレが発生しまい、より国内の経済状況が悪化してしまった。

 王は羽振を捕らえて来いと命令したが、既に彼はパンツ一枚へ国外に逃亡済みであった。

 後、世界も滅んだ。

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