第61話 少女たちの邂逅

 薄く白い靄のかかった街の景色を楽しみながら、えらく機嫌が良さそうな少女が金色の髪をたなびかせながらスキップしている。

 彼女とすれ違った人間が、今一度振り返って彼女を確認する。

 子供っぽい可愛さとあどけなさと、好奇心に満ちたその水色の眼は彼女の魅力の一部に過ぎず、彼女の世界観、雰囲気が見る人々を魅了した。


 彼女は新しい土地に行くことが好きだった。

 知らない風景、知らない人達に触れることは旅の醍醐味だと考えている。

 多少のトラブルがあっても、それも旅の一部だと考え受け入れる。

 物事の楽しみ方を少女はわきまえていた。

 それでも我慢ならない、重大なトラブルがあったのならば……彼女はそれをねじ伏せる。


 自由奔放に街を歩いていると、少女は未知の土地で、見覚えのある顔に出会った。


 少女は顔をしかめると、後ずさりして手に持ったとり天の串を細剣に持ち替えそれを構える。

 少女は小さく笑みを浮かべると、半歩距離を詰め腰に携えた大きな銀色の鍵を手に持つ。


 そして、呟くのだ。


「魔法少女リリ……どうしてあんたがここに……!」

「また会っちゃったね……剣のおねーちゃん。リリのお出かけを邪魔しないで欲しいの」


 これは彼女たちにとっての繰り返し。

 魔法少女リリとミリア・ネミディアの2度目の邂逅だった。

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