ファザコン男子高校生の話。
優希
1
趣味、天体観測。
それは、幼い頃の記憶が作り出した習慣に近かった。
しかし、趣味とも習慣とも付かないそれは、確かに私の血肉となっていて、私の行動にすら影響していたのだ。
進学先の高校には天文学同好会があった。
私はそれを発見した時にはもう、迷いも躊躇いも、他を見学すると言う選択肢すら浮かべるより前に入会する事に決めてしまっていた。その理由を述べるなら、それしかないと思う。
天文学同好会のメンバーは三年生が一人、二年生が二人だけだった。部を名乗るには足りない人数で、何より先輩たちは部昇格を目指してなどいなかった。
同好会に「部費」は勿論出ない。が、彼らはそれで良いらしかった。と言うのも、彼らの活動は週に一度集まるか否かで、幽霊部員ならぬ幽霊同好会だったからだ。が――。
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