異世界×中二病はモテモテに!?

KACLA −カクラ−

第1話 中二病は異世界へ・・・

 なあ、 ” 邪気眼じゃきがん ”というモノを知っているか? 邪気眼の力は相当なものだ。未来を見ることもできれば、人の感情を知ることもできる。もちろん、俺クラスの能力者なら、君たちなんていとも簡単に操れてしまう。


 ああ、なんだか右目がうずく・・・。何だか嫌な予感がするな。


 時は昼休み。俺は優雅なひとときを過ごそうと、特等席である2番目の個室にこもり、今日もパンを頬張る。

 しかし、なんだか外が騒がしい。バンバンと個室のドアを叩く音や下民の叫び声が聞こえてくる。しかし、俺はそれを無視する。なぜならば、俺が飯を食べているからだ。


 ・・・・・・。バンバンバババンッ!

 ・・・・・・。ババババババンッ!!

 ・・・・・・。バコバコドゴバンッ!!!


 それにしても・・・。うるさい!! 一体どうしたというのだ?

 まあ確かに、たいてい俺の周りは騒がしい。なぜなら俺が邪気眼を持つ特別な存在として、目立ちすぎてしまうからだ。当然、そんな俺をよく思わない連中もいるだろう。しかし、今日こんにちまで、邪気眼の力で奴らを封じ込めてきたはずだ。

 なのに・・・なぜ・・・今・・・になって・・・?

 まさか、ダーキング伯爵か!?

 やむを得ない。ここは能力チカラを使うしかない。

 まずは奴らの人数と位置を、把握するために声を聞く。


 下民A「おいっ! 浅比あさひぃ! いい加減出てこないとしばくぞ!! 」

 下民B「おいこら浅比、さっさとトイレ開けやがれ!? 」

 下民C「ねね、浅比くん。今日のお小遣いまだなんだけどぉ? 」


 どうやら、ダーキング伯爵のツカいは三人のようだ。それよりも、奴らは俺の名前が本気で、浅比あさひであると信じているようだな。クククッ、滑稽。

 だが、そんなチャチな名前で呼ばれるのもなんだかしゃくだ。仕方ない。今ここで皆に宣言しておいてやろう。


「おい、下民共。よく聞け、俺の名前マナはジャッキィアィ!だぁぁぁぁああああ!」


 自分でも聞き惚れてしまう程の、カッコイイ名前だ。予想通り周囲からは、嫉妬の罵声が飛んでくる。心なしかドアへの蹴りが、強くなった気もするが、まあ、俺は心が広いから、そんな程度で腹を立てたりはしない。


「ジャッキアイwwwwwwwwwwwww」

「おい、マジで邪魔だから出てこいよカス」

「まーた、発動したよ。奴の中二wwwww」


 誰だ!? 今中二っつったのは!? 俺のは正真正銘の邪気眼だぞ!? 俺の右手がいたずらしても知らないぜ!?


「浅比いぃ! 邪魔だっつてんだろうが! どけよぉぉぉおお!」


 その瞬間、頑丈だったはずの洋式トイレのドアが外れ、目の前に星が浮かんだ。痛い。


「やめてくれ。目だけは・・・。殴らないで・・・・・・。大切だから」


 なんだかエスカレートしてきた気もするがしばらく耐えれば終わるだろう。もう、痛みには慣れた。しかし、俺のジャッキアイを馬鹿にした連中は許せない!


 オコだ。もう許さない! 右手がいたずらしちゃうからな!?


 走って体育館裏まで行く。そして、周りに誰もいないことを確認し、儀式の準備をする。といっても、腕まくり程度だが。周りを確認した理由は、見られたら恥ずかしいから、という理由ではない。

 見られると力が半減してしまうからなのだ!! うん。


 両腕を天へと掲げ、右目をウィンク。そのままジャンプ! そして、先ほど中二といった奴の方へ向けて右手を振りかぶる。そして唱える。

「じゃ、っじゃ、じゃじゃじゃー! っきぃあい! 我に力を! 奴らに悲劇を!」

 ふう。疲れた。これで奴への制裁は下るだ・・・!?


 って、あれ?


 ここは・・・どこ?



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最高傑作【https://kakuyomu.jp/works/1177354054884330655

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