第143話 『フルート協奏曲二長調』 モーツアルト

 さて、問題のこの曲です。


 これは、もともと、『オーボエ協奏曲ハ長調』という1777年に作曲された曲を、フルート協奏曲に改変した作品。


 全体的には『同じ曲だ!』、と言えますが、細かいところは、いといろといじってあるようです。


 しかし、不思議なくらいに、びったりと『フルート協奏曲』として嵌ってまして、そこは、モー先生の天才技としか言いようがないです。


 とは言え、『第1楽章』冒頭の、長~~~~~~~~~~~い、Dの音の伸ばしは、あきらかに息の長~~~~~~~~~い、オーボエ的でありまして、オリジナルなフルートの曲として発想されたモノではないことの証明のような場所です。


 手元にある、モー先生作品のCD紹介のご本には、この曲の難易度は、ト長調の協奏曲に比べて低いように解説されていますが、どうしてどうして、アマチュアには、かなりやりにくい音型が多い曲です。


 やはり、もともとオーボエを念頭にして書いたから、なような気がします。


 『第3楽章』の、多分有名な、冒頭主題もそうでして、まあ、やましんが下手くそだから、なのではあるのですが、こいつを、きちっとリズムに乗っけながら、しかも装飾音をばっちり決めて行くのは、至難の技であります。やましん、舞台でこの曲を吹いたことはないのですが、練習で、上手くできた、ためしがないのです。


 すぐに、転んでしまいます。


 おそろしく、やりにくいです。


 最近は、日常生活でも、身体のバランスを崩すことが多く、よく転びます。年ですなあ。もう、長くはないです(こらこら、脱線したぞ!!)。


 ですが、音楽としては、こちらの方が、オリジナルなフルート協奏曲である『ト長調協奏曲』よりも、より楽しい感じが強くありまして、たぶん人気もあるような気がします。


 調性的にも、ハ長調の『オーボエ協奏曲』より、より華やかな雰囲気が出るのは事実でしょう。(だから、落ち着いたオーボエの方が良いというご意見の方も多いかと・・・)


 まあ、なんだかんだと言っても、結局は、モー先生の天才を讃えるしか、最後はございません。


 どちらの『フルート協奏曲』も、同じモー先生の『フルートとハープのための協奏曲ハ長調』のような、深遠な『底なし沼』は、持っていないようですが、西洋音楽史上、もっとも有名な『フルート協奏曲』であることは、間違いのない事実であります。




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