第31話 『交響曲第2番』 シベリウス

 20世紀最初に書かれた傑作交響曲です。(初演は1902年)


 しかし、この曲には社会的に(というと、ちょっと大げさですが)二つの側面があります。


1 なんといっても、シベ先生の交響曲中の最高の人気曲であり、大スターである!


2 シベ先生のコアなファンや、専門家からは「また『2番』さんかい!」と、言われてしまうのです。



 これは、スターが背負う、宿命のようなものかも知れないですけれど。


 しかし、やましんは、「どうか、素直に付き合ってやて、ほしいなあ。」


 とか、直接には何の関係もないのに、親心のように、思ってしまうのです。


 まあ、どっちかと言えば、育ててもらった方なのですが。


 シベ先生の音楽は、非常に個性が強いので、どう演奏しても、シベ先生はシベ先生でしかありえないのです。


 指揮者様によっては、そこをなんとか、ご自分の世界に引きずり込もうと、強引に頑張る方もいないことはないのですが、まあ、それはそれで、なかなか面白いのでありますな。


 でも、どうやっても、シベ先生はシベ先生なのです。


 この2番については、やましんも一時期、ちょっと間を置いていたこともあるのですが、最近また、「やはり、すごいよなあ!」と再認識中であります。


 いやあ、やはりすごいのです。


 まあ、上手い具合に自己弁護すれば、自分が一旦壊れて、挫折してみると、そういうことも見えてくると言うか、感じると言うか、まあ、結局は、ノスタルジーかもしれませんけどね。


 終楽章の最終部分に、すべてが集約される曲ではありますが、このごろは、それもそうとして、でも、やはり各楽章自体に、ものすごく新鮮な、魅力を感じるのです。


 道端の小さな名もない(ない事はないのでしょうが・・・)お花ひとつひとつに、永遠の魅力を感じるような気分でしょうか。


 確かに全体は大事ですが、そのなかの小さな小さなところに、いとおしいものが実は、いっぱいあるんだな、と思います。


 なんだか、聞きなれた曲にも、今まで気が付かなかったことが、たくさん、隠れています。


 そんなところも、楽しみにしたいなあ、と、思うこの頃であります。


 それにしても、この曲のフィナーレには、ぼくの、そうした些細な感慨さえも、ふっとばしてしまうパワーがあります。


 それは、いつ聞いても感心します。


 フィンランドは、とてつもない作曲家を生んだものです。


「うきうき」かどうかは、ちょっと怪しいけど。

 

 やましんが、学生時代から大好きな録音は、アンタル・ドラティさん指揮のレコードです。

 

 第4楽章、第2主題の扱いが最高です。








 


 




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