第20話 『交響曲第29番』 モーツアルト
シューベ先生の『第5番』が出たら、自然に思い浮かぶ楽しい『交響曲』がこの作品であります。
こちらは、1774年、モー先生、御年18歳という時期の傑作。
モー先生の場合は、『少年時代』というような概念が通じる時期は、事実上なかったという方が正しいのかもしれません。
幼少時から『神童』として、お父様に連れまわされ、巡業とコマーシャルと就職活動の連続でしたから。
その中で生み出された、本当に神様からの『賜りもの』のような『交響曲』。
冒頭から、跳躍を特徴とする印象的で楽しい音楽が溢れ出てきます。
とても、人間業ではない気がいたします。
そこはしかし、モー先生のこと。
第1楽章の展開部や、のんびりした第2楽章の終結前に見せる不気味な上昇音階や、には、すでに異世界への深淵が垣間見えています。
第3楽章は大変な傑作ですが、なんとなく悪魔のお嬢様に手を引かれてダンスを踊っている風情が感じられます。
最終楽章はそれを上回る傑作ですが、モー先生の才能が悪魔をも上回ってしまって、もう、手が付けられないような嬉々とした音楽です。
やましんが思うには、モー先生も、シューベ先生も、若くしてこの世界から、異次元トンネルを抜けて、他所の世界に旅立ってしまったのではないかと。
そうして、いまだに未知の世界を、楽しく旅しているのではないかと。
やましんも、そこに行きたい気もしますが、多分、天才以外は入れないのかもしれないです。
あ、これは妄想です。
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