黒い箱
山川一
第1話 お別れの辞
こんにちは。はじめまして。私は黒い箱と呼ばれているものです。皆様の手のひらにちょうど乗るくらいの黒い箱です。金属感があって冷やりとしています。たまに日光を反射してラメのようにキラキラ光ことが自慢です。最近私は人間達から、ハッカーボックスだとか存在してはいけない箱だとか色々言われて、いよいよ私は皆様とお別れをしなければならないようになりました。私を大きな鉄の塊に挟んで押し潰して殺す、ということだそうです。直接言われたわけではないのですが、偉い人の書類をこっそり盗み見てしまいました。私にはそれは、あまりに恐ろしいことで大変酷いと思うのですが、もうよくわからなくなってきました。私は生まれない方がよかったのでしょうか。
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