第30話カレー屋で行く
珍海と水無瀬がよろしくしている頃、犬馬とマサラも又「女同士の戦い」をカウンター席の近くで繰り広げていた
「くっ・・・!うっ・・!!」
「は、、離すじゃんよ!!!」
犬馬に後ろから羽交い絞めにされ身動きのできないマサラ。
「ふふ・・」
「恥ずかしがる事は無いんだよ・・?」
犬馬は熱の篭った口調でそっと囁くと
「よくみてごらん・・」
「あなたのパートナーを・・水無瀬君を・・」
犬をあやしつけるかのように優しくマサラを誘導する
「な、、何を・・!!」
「・・・・・・・」
犬馬に言われるまま、マサラが水無瀬の方を見ると、そこには信じられないような光景が広がっていた。珍海に背後から突かれ、
水無瀬は抵抗もできないまま快感に身を震わしている
「~~~~!!」
「水無瀬~~~!!」
マサラの悲痛な叫びが店内に木霊する。だが彼にはそれが聞こえてはいないようだった。
「どう??気持ち良さそうでしょ・・・?」
「あなたは・・あなたには・・」
「彼(水無瀬)をあそこまで良くしてあげることが出来る??」
犬馬の甘い言葉が
「うっ・・・・うっうっ・・」
「ひっ・・・!」
「ひっく・・」
マサラの感情を揺さぶった。彼女はぽつぽつと雨が降り出す様に涙した
「悲しむことは無いよ・・?」
「あなたも気持ちよくなればいいんだよ」
「そしてそれを見せ付けてあげるんだ・・」
「そうすればきっと彼も喜ぶよ♪」
犬馬はマサラの体をそっと離すと、すぐ近くのカウンター席から(マサラの注文したやつ)カレーを持ってきた。そして背後から抱きつくように
「はい、あ~ん・・」
金属のスプーンでは無く、直接指でカレーをすくい、マサラの口元に持っていく
「・・・・」
マサラは無言でそれをしゃぶるが・・
「ん”んんっっ!?」
同時に犬馬の空いている手が、マサラの体を優しく撫でた。
「どう?カレー・・・」
「おいしいでしょ・・?」
優しくつぶやきつつ、もう一度指にカレーをつけてマサラの口元に持っていく犬馬
「う、、うん・・」
「お・・おいしいじゃんよ・・」
「んあっ!!!!あっあっ!!!」
大好物のカレーの味と供に、犬馬の指により全身に快感が走るマサラ。
「・・・・」
犬馬はカレーのついた指を無言でマサラの持ってくる。
「・・・」
それを口に運ぶと同時に快感がやって来ることが解ったマサラは一瞬ためらったが
「・・・・」
「んあ”っ!!!」
どうしても誘惑に勝てず、ついついしゃぶってしまう
「はぁい、あ~ん♪」
犬馬の指がマサラを
「い”っ!!!い”っい”っ!!!」
絶頂の淵へとあっという間に導く。
「はぁうっ!!!」
びくんびくんと打ち震えるマサラ。向こうでは水無瀬が珍海によって突き崩され、床にオーラをぶちまけていた。
「決着ーーー!!」
マサラの配置した端末から
「勝者、万南無高校(まんなむこうこう)!!!」
決着のボイスが流れる
「・・・試合負けちゃったじゃんよ・・」
マサラは、対戦相手であるはずの犬馬の胸に顔をうずめた
「マサラちゃん・・」
犬馬はそっとマサラの頭を撫でると、
「勝ち負けだけが試合じゃないよ・・」
顔をすり寄せてそっとつぶやいた
その後、店の外に退避していた実況やら観客やらは、遅れて到着した会長の黒服によりどかされ、店の入り口は「立ち入り禁止」と書かれた
黄色と黒で構成されているテープにより封鎖された。被害総額などの見積もりを行なう為だ。アプリ坊主の試合は高校生大会、プロの大会問わず、
それによって出た損害などは全て主催者側から補償される。
「まったね~♪」
犬馬が熱来高校の2人に手を振ると
「今度遊ぶじゃんよ~!!」
遠くのほうでマサラが両手をぶんぶん振って答えた。隣に居た水無瀬も中途半端に肩ぐらいまで手を挙げて微笑む
「ん?おまえらいつの間に・・」
・・おっと、俺だけ愛想悪くしてる訳にもいかないな・・
「またな~!」
咄嗟に手を振る
「うん?」
「試合中にちょっと、ね」
犬馬が優しい顔で微笑む。・・・辛い物好き同士で意気投合したのだろうか??
「ちょっとってなんだよ・・」
「さてはおまえ・・」
ちょっと面白そうなので、
「あの子とすでにいい関係なんじゃ・・?」
からかってみよう。
「ばっ・・・!!」
「違うよ~~!」
顔を真っ赤にした犬馬が慌てて否定する。首をぶんぶん振り、開いた手を突き出している。
「ふっ!」
愛くるしいその仕草に思わず噴出してしまった
「あ~~っ!!」
「からかったな~~!!」
むきになった犬馬が背後からくすぐってくる・・・あっ・・・
「ちょっ、、やめっ・・」
後ろから抱きつくような形になった犬馬は、左脇付近から顔をひょっこり出すと
「んふふ~~っ♪」
最高の笑顔で
「やめてあ~げないっ♪」
くすぐりを続行した。・・・・いや、ナニコレ。
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