どこにでもある話
だぼるぶ
プロローグ 王の目覚め
自分が世界で一番恵まれている。
今までもこれからもそう思いながら生きていく。
それを裏付ける経験もしてきたし、これからのことも確信している。
今日もいつもと変わらぬ毎日を過ごしている。
この生活は退屈だが個人的には満足している。
まわりの人々と比べて自分がひとつ抜けていい暮らしをしていることも自覚している。
この家系でよかったと正直思う。
会ったこと無いけど、ありがとう祖父。
あったこと無いけど、ありがとう父。
体も強いし、頭もいいし。
ありがとう、母さん。
ではいつものように日課である狩猟に出かけよう。
精巧な武器を持ち、頑丈な鎧をまとい、優秀な側近を連れて今日も何百回と通ったルートで狩っていく。
見立てどおりの報酬を手に入れ、その日通らなければならない狩場を雑魚をなぎ倒しながら歩いていく。
余裕過ぎる。
退屈なぐらいだ。
これでも子供のころは厳しい訓練に耐え、ちゃんとした教育を受け、もって生まれた才能だけでなく自分自身の努力で手に入れた力でもある。
よくある成功法をなぞって手に入れたちゃんとした生き方だと思う。
ただひとつ、自分より使えない側近や仲間はすぐ自分の周りから消えていく。
月に一回ぐらいこういった形で人の入れ替えが行われている。
王子である自分でさえ、誰がこのシステムを管理しているのかはわからないが、
古くからの続柄の人はその管理者をみな「指の王」と呼んでいる。
後日、自分はその王と顔合わせすることで、今までの生活が大きく変わっていった。
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