第24話友人たちの結託
「どうする?」
事件から三日後、智香は友人の友里へと切り出した。あれ以来、由香とか言う探偵に付きまとわれているのだ。
「どうするって、そうだな!
変な噂が広まっているし、あの写真もSNS上にアップされている。ごめんね!色々とやったのだけど、山口がアップした後だったの」
友里は申し訳なさそうに言った。
「佐々木も色々と手を回してくれてんだけど、ダメみたいでさ」
それを聞いて、智香は天を仰いだ。
全てあのクソ野郎のせいだ!!
「佐々木も、友里もありがとう!多分、任意で取り調べなんかされたらボロ言いそうじゃん!友里じゃないよ……佐々木が」
友里は頭を抱えた。
☆
「そう言えば、凶器の形状わかったの?」
「はい、果物ナイフでした」
「果物ナイフ?」
由香は首を傾げた。
「果物ナイフから指紋出たの?」
「……智香さんの指紋は出ました」
「智香さんの?」
「はい。凶器は、智香さんのお宅の果物ナイフが使われたみたいですね。先端から被害者と思われる血液が検出されました」
持田は言う。
「別に、ナイフから智香ちゃんの指紋が出るのは当たり前ですよ、由香ちゃん!由香ちゃんは何を考えているのですか?」
由香は黙ったままだ。
☆
友里の家に呼び鈴が響いた。
「すみません!警察の者です」
警官は警察手帳を取り出して言う。
「友里さんですか?3点ほど聞きたいことが」
友里は冷静に対応する。
「はい?」
☆
「それで何か出たのか?」
ソファーに腰を下ろす由香ちゃんは言った。僕は慌てた様子で、部屋の様子を覗いている。部屋では警官に任意で取り調べを受けている友里が映った。
「何も出ませんでした!」
持田は元気よく返答した。
「いやあ!やってないの一点張りで」
「こんな取り調べ無意味だよ」
「無意味?」
由香ちゃんが僕を睨みつける。
「あたしが無意味な事をするか!バカタレが」
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