第10話美鈴が死んだ

「さて……」


由香は立ち上がって、僕へと言った。僕は、屋敷内の人を怪しんだ。多分、この中に犯人がいるんだ。


「守氏を殺害した犯人は誰なんですか?」


すると、泣きじゃくっていた白木美鈴ちゃんが、由香の部屋を尋ねた。僕は白木さんを落ち着かせようとベッドに誘導をする。


「やるな。お前」


由香が感心した様子で言った。

何を言っているのか、僕にはわからないけど、白木さんが泣き止むまで見守ろうと決意する。


夜が明けて朝を迎えた。


「おい…君」


由香に叩き起こされて、僕は目を覚ました。どうやら由香の部屋で眠ってしまったらしい。ベッドには、白木さんの姿はなかった。


「あれ、美鈴さんは」


僕は慌てた様子で周囲を確認する。


「知らんぞ、あたしは」

「知らないって」


すると、別荘内へと悲鳴が木霊した。僕は駆けつけると白木さんがベッドの上で死んでいた。ドレス姿だった。


「白木さ――――――――ん」


僕は、呻いて美鈴を抱き起す。しかし、すでに美鈴は息をしていなかった。周囲を改めて確認すると、遺書らしきモノがあった。


「あたしが、守氏を殺害しました。許してください。美鈴」


それは彼女の自筆で書かれた遺書だ。


「幕引きだ!少年」


「ふざけるなよ!!由香も知っているだろ?彼女はオッパイが大きくて、可愛くて自慢の小学校からの幼なじみだったんだ。すごく活発で愛想がよくて、そんな彼女が人を殺すなんて出来るわけないだろ――――――――!!!」


僕は泣きながら無我夢中で叫ぶ。


「遺書は筆跡鑑定の結果、美鈴本人だと証明した。諦めろ、君の初恋にあたしを巻き込まないでくれたまえ!!」


僕は由香を睨んだ。

どうして、こんな事に。

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