Happyend
ハヤシ スカイ
第1話
私は小5。公園で鬼ごっこ。今の小5が寒い公園で鬼ごっこなんてするの?って思う?
あったかい家でゲーム三昧じゃないの?って思う?
塾や習い事で公園行くヒマないでしょ?って思う?
いやいやいや、私は遊ぶの。公園で。ワイワイキャーキャー遊んでてふと、ベンチを見ると・・・あれは・・・同じクラスのマヤちゃん?横には車イスに乗ったおばあちゃん。
へー、おばあちゃんのお世話してるんだー
エライなー
おっ!目が合ってしまった・・・
「マヤちゃんエライねー。その人はおばあちゃん?」
「そう。別にエラくなんかないから。」
「いや、だって車イスのおばあちゃんのお世話してるやん。充分エラいやん。」
「だ・か・ら、エラくないの!バーからおこずかいもらってるからやってるだけ。」
「…そうなんや」
「同じお金払うならヘルパーより私の方がいいんだって。」
「なんで?ヘルパーさんはプロだから何でも知ってるのに。」
「うーん。ハナシ長くなるからイイヤ」
「長~~~くなってもいいから教えてやー」
「ヘルパーだともしもの事があった時に大変だから。」
「もしもの事って?大変って?」
「……例えばヘルパーが石にツマづいて転んで突然車イスを離したら車イスはこの坂道を転げ落ちて行くでしょ?そしたらバーは切り傷、骨折、…位ならいいけど…頭でもガガーン!!って打って打ちどころが悪く大出血して死んじゃったら…」
「こわい……確かに車イスが転げ落ちるの想像しただけで怖い……」
「バーは年だし車イスだし1人じゃ何も出来ないし死んでもいいらしい。けど!ヘルパーやその会社、周りの人たちが大変な事になるでしょ?」
「うん。ヘルパーさんのせいになるやろなー。」
「それが嫌なんだって。バーはもう死んでもいいから死ぬんだろうにヘルパーが悪い!!ヘルパーが殺した!!とかってスゴイ事になるのがヘルパーにも周りにも悪い。って。」
「でも…マヤちゃんならいいん?マヤちゃんだって転んでそうなるかも知れないやん。」
「あ!私はいいの。マゴだから。みんなもマゴは責めはしないだろう。って。その辺の事は私が悪者にならないようにバーがみんなに話してるから大丈夫。もし何かあっても大丈夫……」
「でもマヤちゃんが苦しむ事になるんとちゃう?」
「バーはね、もう充分生きたから何か事故があっても孫がした事なら許せる。だから大丈夫。逆に嬉しい位だよ。って言ってくれるの。」
「……」
「マヤは自分を責める事も苦しむ事もないからね。って言ってくれるの。」
「いいおばあちゃんやね。今のお昼寝の顔、子供みたいにかわいいね。」
「かわいい?あんたは今のバーしか見てないからそう思うだけだよ。本当はね……バーは……」
「ほんまは?何?」
「……いや、何でもない。あんたは鬼でしょ。早く鬼ごっこに戻りな。」
そんな会話からたったの3日後・・・
そう!!たったの3日後に・・・
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