愛されスキルがチート過ぎて異世界でも堕落しました
あるみひさく
プロローグ
僕は引きこもりニートの
彼女居ない歴=年齢の童貞!
中学2年生の時に
調子に乗りにノッていた僕はその日、街中を自転車で爆走して風になっていた。
猛スピードで漕ぐ自転車で感じる圧倒的スピード感と風を切る心地良さで最高にハイになってた僕は十字路などの一時停止をガン無視して、ただただ真っ直ぐにどこまで行けるか、今思い出すと本当に馬鹿な挑戦をしていた僕は、案の定、事故を起こした。
突然、飛び出して来たトラックにぶつかってしまい「あ、これ死ぬわ」と瞬時に悟って覚悟を決めた。
普通ならここで異世界転生したりするのだろうが、そうはならなかった。
トラックからしたら僕は、迷惑極まりない突然飛び出してくる馬鹿な子供なのでトラック側には何の落ち度も無いし、一時停止を守ってスピードも落ちていたのでそれが幸いした。
全身打撲と無数の擦り傷、それと歯を数本折るだけで済んだのだ。
慌てて降りてきたトラック運転手のお兄さんと助手席に居たお姉さんが心配して救急車を呼ぼうとしてくれたけど、その時はまるで痛みを感じなかったのと、この優しそうな人達には迷惑は掛けられないと申し訳ない気持ちでいっぱいだったので、丁寧に断ってその場から急いで立ち去った。
家に帰ると先ほどまでまるで痛みを感じていなかったのに、ホッとして力が抜けたのか大激痛が僕の全身を襲った。
そのまま緊急入院して残りの春休みを過ごすことになってしまった。
親に何があったのか聞かれたが怒られると思い、まさかトラックに轢かれたとは言えるはずもなく、自転車で転けただけだと誤魔化した。
春休みが終わって退院した後も、酷い筋肉痛で動ける状態では無かったのでしばらく学校を休むことになった。
心配して遊びに来てくれた友達とゲームをしながら毎日ぐうたら過ごしていたのが悪かったのだろう。
今、思えばこの事故を切っ掛けに僕の人格が少し変わっていたような気がする。
体も治っていざ、学校へ行ってみると、みんな受験勉強の真っ只中で僕は完璧に出遅れた。
授業にはついて行けず、そのまま落ちこぼれて行き、高校受験に失敗して試験の無い遠くの通信制高校に通うことになってしまった。
通信制高校に通うことになって最初の数ヶ月は真面目に勉強して居たのだが、月に2~10回程度通うだけで後は自宅でレポートを書くだけという方式は僕にはまるで合っていなかった。
自宅なので勉強に身は入らず、遠くの高校に通うのも
◇
そして現在。
いつも通り自分の部屋に敷かれた万年床の布団で、猫と一緒に寝ながらアプリゲームをプレイしていた僕は、単調な周回作業ゲーで段々とうつらうつらと寝落ちしてしまい、スマホを持ったまま、そのまま夢の中へと旅立っていくのだった。
夢の中で空を飛んでいたら急に落ちてしまい、現実でもビクッってなる時があるよね。
今回は本当に落ちたみたいだけど。
「ヴッ!?」
腰をしこたま打った痛みで目を覚ますと、そこは、木々が生い茂る、幻想的な森の中でした。
「……へ?」
森の中で目覚めた僕の眼の前に、木漏れ日でキラキラと輝く、透き通った黒い長髪の少女が心配そうにこちらを覗き込むようにして、紅い瞳で見つめていた。
「もしかして……勇者さま?」
すごく可愛らしい声でそう呟いた黒髪少女に、何か運命的なものを感じてしまったのは、異世界転移という非日常的なことが起こったこの状況では、誰でもそう思わずにはいられないだろうと僕は思う。
先に言っておきますが、僕がロリコンだとかそういうアレでは無いのだと、ここではっきりと断言しておきますね。
この先、付き合ったりとか、そういうラノベ的キャッキャウフフな展開とか全然期待していたりとかして無いんだからね!
本当に違うんだからね!
とにかく、この運命的な少女との出会いから僕らの大冒険が始まる。
と、良いなと思いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます