第46話 10年後の未来
みんな眠くなる昼ごはん後の授業。通称、睡魔の5時間目。しかも、今日は5時間で学校が終わりだった。そんなときに将来に関することを記入する紙が配られた。
「よし。全員行き渡ったな。お前らの将来にとても重要なことだ。志望大学、やりたい学問、将来の夢を今配った紙の空欄にそれぞれ書いてくれ」
大和田の頭がピカッと反射する。いつもならここでみんなクスクス笑うのだが、睡魔に襲われているみんなにとってはただただ眩しいだけであった。光っている本人は全くの自覚はないようだが。しかし、彼はクラスの過半数が眠気に襲われていることで全く話を聞いていないことが不快にだったのか、
「寝ているやつもいるが、これをこの授業中に書き終わんなかったら居残りな」
この言葉に寝ていたほとんどの生徒が飛び上がる。まぁ飛び上がるといっても、体が勢い良く持ち上がったと言うべきか。とにかく、全員が居残りは嫌だのだ。せっかくの5時間授業で早く帰れるのに居残りなんかしたら、いつもの6時間授業と変わらなくなってしまう。飛び起きた全員がそう思ったのだ。いや、寝ていなかったのか。
その後は1人を除いて全員が提出が間に合った。書くといっても結局、書く欄は3つしかないのだ。そして、間に合わなかった1人とは、
トムだった。
「じゃあ、鈴谷は居残りだ」
大和田の声が無情にもトムの耳に届く。確かに最初寝ていたのもあるが、書けないことはなかった。
帰りのホームルームは終わり、放課後を告げるチャイムが鳴った。
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