第44話 タイトルが記入されていません
1人自分の机の上で顔に手を当て、ニマニマしているトム。とってもご機嫌のようだ。
「鈴谷、テストどうだったー?」
近づいて来たのは大和でも将悟でもなく祐子だった。なぜかというと、この2人はクラスを代表するバカ達なのだ。そして、そのときはあ・え・て誰も近づかない。だけど、この2人は恋愛感情は皆無なので、あまり効果がないようだが。
「まぁ上々かな。鳩山は?」
「うーん。私も上々かな。今度、三月ちゃんに夏休みの宿題手伝ってもらうんだー。よかったら、鈴谷もくる?」
突然の誘いに周りは少しどよめく。このクラスには付き合っている人はいないので、こういうのには敏感なのだろう。
「マジ!!あの学年トップクラスの奴に手伝ってもらえるかもなんて、絶対乗った!!」
このトムの解答にクラスのどよめきが尋常じゃなくなる。2人は気にしていないが、大和と陸斗、三月に将悟以外の生徒の目がその2人の方に向く。ちなみに、この4人は先生に呼ばれているようだが。
「おっけ。三月ちゃんに言っておくね。じゃ」
「じゃ」
話が終わった瞬間にクラスの豹が獲物を狙うような怖い目達が、一瞬にして元の状態に戻る。しかし、彼らは知らない。このクラスの中に1人、付き合っているものがいることを。
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