第1話

僕は今日も生きる。

何の意味もなく。

何の変哲もない1日を過ごす。


「あなたとってもつまらなそうな顔をするのね?」


なんだと顔を上げる。


「ところであなた授業は?受けなくていいの?」


ここの生徒か。と、よくわからない納得をした。


「あっ、あなた私と同級生なのね!でも見たことない顔だわ…私は1組の向坂咲良よ。あなたは?」


「死にたいんだ。」

不意に口からそんな言葉が溢れた。


すると彼女は、

「そう、私は生きたいの。反対ね。ところで名前は?」


面白い返しだなと思いながら僕は答える。

「佐倉志貴」


すると彼女は笑顔で

「あら!名前が一緒!今日から私たち友達ね

と言ったのだ。


「そんな理由で友達になるのか?」

と僕は問う。


「あら、失礼ね。そんなとは何よ。十分な理由でしょう?それに、私は生きたくて、君は死にたい。私たちって正反対なの。一緒にいたら面白そうじゃない?」

そんなことを言った彼女は暫くひとりで喋り続けた。


その姿を見ながら僕は彼女のおかげでしばらくは退屈せずに済みそうだ。と、そんなことを思った。

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