天界の城
なぎさ
第1話
「如月!!またお前か!!」
窓からするりと抜け、先生の目を
「どうかしましたか?」
「生徒会長。実はまた如月が授業を抜け出したんだ…。」
「私が見てきますよ。」
「すまない。」
先生は怒りながら何処かに行ってしまった。
この学校での生徒会長は先生と対して変わらない。
年を追う事に魔力や体力は弱まってしまうことにも原因はあった。
そして、この学校の生徒会長は学校一の成績、魔力、体力を持っている者しかなれない。
そのため、年齢はその年によって様々だった。
「居た。サボり魔。」
「遅かったね。亞夜。」
「あのね。私は柚茉の保護者じゃないの。」
2人は1歳違い、特に接点などなかった。
ただ、学校に入り、真面目な亞夜はすぐに生徒会長になり不真面目で大抵校舎の屋根の上にいる柚茉を追いかけていた。
今日もまた同じように屋根に寝ていた。
「何かあった?」
「別に。」
柚茉は亞夜以外と関わることはあまりしない。クラスでは一匹狼だの何だのと言われている。
「何の授業?」
「知らない。」
「あっそ。そうだ。来週だよ。対抗戦。」
「関係ないよ。」
「私と対抗できるの柚茉だけでしょ?暇なんだけど。」
「知らない。」
対抗戦とは年に一度開かれる生徒会長を決める大会のようなモノ。
各クラス内で数週間前より魔法や武術、剣術で戦い、勝ち上がっていくと学年関係なく対抗戦が行われる。
もちろん頭脳や体力面も事実上は上げているが最近では力が一番強い者しか出来ないとの噂もある。
「私は静かに学校生活送りたいの。」
「記憶探しは止めたの?」
「何の手がかりもないんじゃ探したくても探せないよ。」
柚茉は昔の記憶を持たない。
10歳以前の記憶がないのだ。
学校に入れば寮があり、屋根のあるところで暮らせたが、それまでは野宿ばかりしていた。
「そろそろ終わるよ?」
亞夜がそう言うと授業終了のチャイムが鳴った。
「次なに?」
亞夜は柚茉のクラスのみ授業項目を把握している。
「実技。行ってきなさい。」
「めんどくさっ。」
「落とすよ?」
亞夜は柚茉の後ろに立ち背中を押す準備をしていた。
「戻りますよ。」
「かしこーい。」
2人は屋根から降りて別れた。
2人の出会いは入学式。
1学年しか違わないのに既に生徒会長をしていた亞夜。
壇上で挨拶する中、目が合い時が止まったように感じたのが最初。
そこからはサボり魔の柚茉を追いかける日々。
柚茉は実技用の大きな空間にクラスの子達といた。
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