嘘顔ってどんな顔?

 昼食食べ終わって昼休みに入った。やっぱりおかしい。ヒソヒソと私を見ながら首を傾げるクラスのみんな。軽い話だろう。だってねえ、告ってフラれたとか笑い話でしょう。


「、、寿、お局様、やっぱ雰囲気がおかしい。告ってフラれたっていう話、嘘だけど笑い話でしょう?普通。」

「、、、。あ、ああ。そうだな。なんかみんな最近ピリピリしてるよな。な。」

「う、、うん。きっと、違う話題かもよ?新たな話題が出てきたとか!!」


嘘だ。私はこの2人の嘘くらいかんたんに見抜ける。私達3人は小学生の頃からの仲良しなのだから。顔を見ただけでわかる。

寿に中学生の頃、好きな人がいたという話も寿は嘘をついたがすぐにわかった。

お局様が掃除の箒を男子と野球やったせいで折ったとき、先生には棚に引っ掛けて、、とか言ってたが、すぐに違うってわかった。

 じゃあ私が嘘をついているとき、バレてるのかな。私のかお、どんなんだろう。


「、、、琴?顔がかの有名なベーブ・ルースみたいになってるよ。」

「いいや新渡戸稲造だろ。、、まて!あれだ。あの、、坊っちゃんを書いた人!」

「はいはい、顔がおじさんって言いたいんでしょ。夏目漱石でしょ?お局様。」


気持ちをなごませてくれる2人の存在、どれだけありがたいだろうか。

、、、って、おじさん顔?!


「それ、地味に悪口じゃ、、」

「「そんなことないよ!」」


はもって言われれば、誰だってフォローされてることくらい気づくわ。

 昼休みも終わりに差し掛かったとき、教室に大声でこう言いながら入ってきた人物の姿があった。


「小町琴の裏の顔、腹黒い正体!!だなんて題名つけてもっとみんなに広めてやろーぜ。いい顔してるのは表だけってなっはっはっは。腹筋壊す気かww」


今回の一連の事件の犯人、大嘘つきの坂木だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る