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エスカレーターから見える通りはもう暗くて外の様子がわからなかった。車の明かりを頼りに人の影を見るとなんとなく傘をさしている人はいなさそうである。エスカレーターのスピードがもどかしいと感じてしまう。早く家に帰りたい。有希子はそう思った。
一階についてエントランスホールについて改めて外に出ると雨は降っていなかった。
彼女は心の中でガッツポーズをする。言い過ぎかもしれないが、自分に運が向いてきたと思った。
来た道とは別の道を通って帰る。コーヒーショップが二軒並んでいて、牛丼屋がある。ちょっと気分が躁状態なのかもしれないが、ここにはなんでもあると勝手に思い込んでしまっている彼女がいた。
彼女は今日買ったものに期待を膨らませていた。普通に買った本ならば帰りの電車などで、読めるのだがそれもできない代物だ。家に帰るまで我慢した。
家に帰って、靴も脱いだままにして机にしているコタツに広辞苑を広げた。
そして、有希子は「明日」という言葉を調べた。
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