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 友人の中には男もいた。お酒もタバコも試した。しかし、流石にその先にはいけなかった。

 ある日、有希子と仲のいい男女六人で遊んでいた。流れは忘れたが、近くの公園ことになった。その時、カップルが酔い潰れてパスをした。みんな気を遣って、公園に行ったのだ。

 帰ってくると部屋は暗かった。当たり前といえばそうなのかもしれない。寝ているかもしれないと有希子はみじんも考えつかなかった。いつも学校から帰ってくるように元気にドアを開けると、有希子のベッドでカップルが仲良く寝ていた。男が女に腕枕をしながら寝ていた。むしろ、幸いだったのは行為に及んでなかったことだったことかもしれない。

 有希子はドアを勢いよく閉めて庭の隅に走った。

 次の日、有希子は部屋のものを全部捨てた。同じ友人たちが来ることはなかったが、有希子の以前の部屋を知っている人間は、時々理由を聞いてきた。

「なにもかもが嫌になった」

「気分転換」

「気まぐれ」

 この三つのうちのどれかだった。

 本当は違った。

 友人が大人になってしまうのが嫌だったし、置いてかれるのが怖かった。

 それは今でも有希子の心の中にあるものだった。

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