太陽はそれでも白かった

ウサギノヴィッチ

有希子

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 ラーメン屋に人が並んでいて、さらにその列が、ある程度の長さになると分離され、ちょっと離れたところからまた続くようになっている。有希子はその前を通るたびになぜそのラーメン屋が人気があるのか疑問に思っていた。過去に一度だけその店に入ろうとしたが、その時は夏で気分が悪くなってしまい断念した。だからといって、今日リベンジしに来たわけではなく、ただ前を通っただけである。

 ラーメン屋の前に大きな通りがありその先に大きな本屋がある。有希子はその本屋に用事があった。彼女は広辞苑が欲しかった。必要はなかったが欲しかった。

 小学生の頃は、国語が苦手で、むしろ勉強というものが苦手だった。親はそんな有希子に対して最初はうるさくしかったが、段々干渉することが少なくなった。彼女は勉強をすることを放棄し、自分の好きなことだけに時間を使うようになる。

 家は庭が大きく彼女の部屋はプレハブ小屋で、親でさえあまり近づかなかった。

 友人は、彼女目当てに来るのではなく、彼女のプレハブ小屋、大人に邪魔をされない環境を目当てにやって来ていた。

 有希子は成績は年々悪くなっていった。

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