太陽はそれでも白かった
ウサギノヴィッチ
有希子
1/15
ラーメン屋に人が並んでいて、さらにその列が、ある程度の長さになると分離され、ちょっと離れたところからまた続くようになっている。有希子はその前を通るたびになぜそのラーメン屋が人気があるのか疑問に思っていた。過去に一度だけその店に入ろうとしたが、その時は夏で気分が悪くなってしまい断念した。だからといって、今日リベンジしに来たわけではなく、ただ前を通っただけである。
ラーメン屋の前に大きな通りがありその先に大きな本屋がある。有希子はその本屋に用事があった。彼女は広辞苑が欲しかった。必要はなかったが欲しかった。
小学生の頃は、国語が苦手で、むしろ勉強というものが苦手だった。親はそんな有希子に対して最初はうるさくしかったが、段々干渉することが少なくなった。彼女は勉強をすることを放棄し、自分の好きなことだけに時間を使うようになる。
家は庭が大きく彼女の部屋はプレハブ小屋で、親でさえあまり近づかなかった。
友人は、彼女目当てに来るのではなく、彼女のプレハブ小屋、大人に邪魔をされない環境を目当てにやって来ていた。
有希子は成績は年々悪くなっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます