零度の凍土と奇跡輝石 その1
科学者
科学者というのは、ある一定の分野で、ある程度の技術力により、人類と生物、自然の調和を図りながら、よりよい未来を可能にする物をただひたすらに研究し続ける者達…
ばかりでは無い。
科学者だって人間で、欲に目が眩み手を伸ばし、後ろをふと見るともう戻れない砕けたアスファルトの橋ばかりではいチャンチャン☆
なんてありふれた話だ。
私だって事実そうなのだ。
もう戻れない。
自分じゃ帰れない。
道を掛けて貰ったのだ。
弟に尻ぬぐいをさせているのだ。
私が作り出してしまったヒーローは、
今私の腕の中で死んだように寝ている。
ねぇ…ヒーロー…?
石ころみたいに目立たない顔だね…ヒーロー
守るからね、
にしても…
私の愛する弟、可愛いんですけど…
ジェーンさんいい目してます、流石お目が高いですねぇ…
ボサボサの髪にとろとろの目、決してイケメンでも無いこのふんわりした顔が可愛い…
あーん愛おしいよぉ!(3徹テンション残留)
「ン…あ、姉さん…おはよ…あぁ眠…」
「!?あ、あぁおはよう…リネン」
_______________
『マシンダイバー!!!!!!』
久しぶりに引きずり出してきたバイクは陽を艶やかに反射し、藍色に黒を少し突っ込んだような黒々とした景色を写す。
「グレープくんお出かけ~?」
「あっフルルちゃんおはよう、まぁお出かけ…かな、うん」
そっかー…と相変わらずのテンションだが、意外と彼女は考えているのだ、濁したのを漉そうとしてくれないのは有難い。
整備されていない道だからと言ってぽんぽん跳ねる程の妙な道じゃない、アスファルト舗装がされていないだけ。
ゆきやま
久しい。
あのカップル量産機(温泉宿)に行くしかないが、一人というのも寂しいもんだ。
ゆきやま
僕がこんな所までバイクを走らせているのは他でもないキセキセキの研究の為だ。
そう、シキ君に頼まれおつかいタイムって訳
僕は違うが、ゆきやまにはペンギンの住むちょっとしたエリアがある。
確か…コウテイさん、ジェーンさん、アデリーさん辺りの出身ではないだろうか。
本題はそこでは無くて、サンドスターを雪や氷が含んでいる可能性がある、どうにもこのセルリアン大量発生は、シキ君をコピーしたシキリアンとサンドスターロウ、リウキウ、というかキセキセキが主な原因のようだ…。
セルリアン…か。
正直。
なんの為のシステムかわからない時もある。
セルリアンとフレンズの共存なんて出来るのか…繁栄まで行くのか…?
そもそも倒すんじゃないのか?
僕は無理そうだ…。
僕には無理そうだ。
でも、それで平和が来るなら…
あの子の想いも果たせると思う。
僕は争いは嫌いだ。
______________
17歳、世間的にはまだまだピッチピチのうるさいガキだが、姉の腕で寝る17歳と聞くとなんだお前シスコンだな姉もう20後半やぞ、ってなる。
あー恥ずかしい恥ずかしい。
朝飯やら済ます前に時計は昼の11時を指している。もう昼飯食べりゃいいや。
パソコンの前にドカンと腰を下ろしているのもつらい、3徹なんてするんじゃないぞ!
「シキ君…!」
3徹中まともに声をかけれていなかったジェーンさんだ。
まったく、何処に居るんだそんな自分の作業に没頭して3徹して彼女心配させてさらに無視って本当なんて野郎だ30回位海に沈められりゃ良いのにそんな奴←お前じゃい!
とにかく、だ。
「夜も優しくしてくれたと思ったら三日ガン無視とか酷いですよ…とにかく心配したんですからね…?」
俺はこれ以上ない相手に拾われた。
「…ごめんなさい」
ジェーンさんには許して貰えたが、後でプリンセスさんに呼び出されて強烈な
って!
こんな話はしていられない。
実は俺は今焦っている。
身の潔白を証明出来たとはいえ、未だ俺のコピーはパークに潜んでやがる。
キセキセキ…俺のコピー…サンドスターロウ
そうだ、キセキセキだ。
カギはキセキセキにある。
大体今わかっている事だけでどうにでも予測できる。
だから焦っているんだけどねぇ?
おそらく…
『俺のコピーはリウキウのキセキセキの存在を知り、自身の強化の為にセルリアンを引っ張り込んでぐちゃぐちゃにしていった。目的はそのぐちゃぐちゃに巻き込まれるよう仕向けフレンズを根絶やしにして、セルリアンの国を作り上げ〔セルハーモニー〕を発生、完成させること』
と思われる。
いや、そうに違いない。
無駄に女王に固執すること、カコ姉さん中心の人間に何らかの恨みがあること、サンドスターロウやサンドスターの収集を行い、セルリアンを自身で作り上げている所を見て間違いない。
コレなら火山のフィルターを無視してセルリアンが生まれ続けるのも、元女王の彼女が
『もう良いのだ、ワタシはヒトに償いヒトに協力する。セルハーモニーは思った以上に恐ろしく、考える事の輝きさえ奪う』
と言い放ったのも納得がいく。
フンフン…だいぶ見えてきた…!
ただの人間として放浪生活を送るのかと思えば、闇を見つめる者になってしまって居たか
…まぁ
タイプツーに会わなかったら楽だったかも。
だけどジェーンさんにもグレープさんにもレイバルさんにも姉さんにも会えなかったかもしれない。
…!
やっばそうだジェーンさん!
「あぁぁぁ!ねぇタイプツー!今何時!?」
『そぉですねぇ~?今ァ…18時ぃ…ですねぇ~?焦ってどぉしたんですかぁ?』
「あぁぁぁっっっっ待って待ってもう6時かよやっばい…やばいやばいやばい!」
『そういえばァ~?今日はジェーンさんと晩御飯でしたねぇ~?ジェーンさんの楽屋に6時集合でしたけどぉ…?』
「てっっんめぇ気づいてたのに言いやがらなかったなァ“ァ”ァ“ァ”!!!!!!」
『んぅ~?何の事ですぅ~?』
ふっざけんなクソがァァァ!
______________
息絶え絶えで楽屋に到着した俺。(ステージから移動式研究室離したから本気ダッシュ)
時計は15分を指している。遅刻である。
「ごめん…ナ…さイ"…」バターン→ジェーンニダーイブ
「シキくぅぅぅぅん!?」アセアセ
限界を玄関で迎えた俺は顔面からジェーンさんにダイブ、流れるようにまぐれなラッキーハグに持って行ってしまった。意識はギリギリあります。
「ちょ!ちょっとシキくぅん…いきなりハグはびっくりしちゃいますよぉ///」
「あっ…はイィ…ゴメン…ナサイ」
晩御飯は魚を頂いた。
デザートに彼女のふっくらした
______________
exactly…
その通りさ、流石俺だな…
だがなぁ?
邪魔なんてさせない。
人間の脳は、
オレに夢をみせた。
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