Black FIRE!!!!!!!

重着ッ!


『Raw…Ra.Raw…Sandstar Raw…!!』

FIRE…!!!


…行くぞっ!


まずは相手の分析に時間を掛けるんだ、コッチが逝くか、アッチが逝くまでこの戦いは終わらないッ!…切羽詰まっている訳でも無いけど!…いやうん詰まってるけど。


相手はレイバルさんの能力を持ってるはず、要するにスピードに物を言うはずだ…


…ほら来た!

さらりと身を躱し相手をできるだけ目の中に入れる、とにかく見ておくのだ。


カンッ!ガンッ!

爪を冷静に一回一回受け止めては流し、弾き返す。燃える目がこちらを本気で捉えており狩人ハンターであること再認識させてくる。狩りの成功率8割!一発一発を的確にスピーディーにブッ込んでくるっ!


ならばこちらも強引にぶっ込むのみ!


「ハァァァッ!」

顔面にヒット!

SlaMpNumに頼ってばっかりじゃ能力が発揮出来ない、攻撃した部分からサンドスターロウをサンドスターに変換して弱体化を図る!


『ググ…ヅァッ!』


…へばってる、今だッ!


「タイプツー…行くぞっ!」

『Sandstar Raw  FIRE!!!!!!!』


「暗く!」

『濃く!』

『「燃え尽きろォーッ!」』



『……コノ程度ナラ…』


「…だめだ、再生能力があるし強引にかち割る訳にもならない…どうすりゃ…って!」


詰め寄って来たまずい!

しまった、腕に一発…じゃない!

「うがぁぁぁっっ!」

そうだ、こいつはッ、レイバルさんの能力、詰まるところ装着後の能力

「スピードとラグ」が使えるんだァーッ!!!!!!!


ラグ…差…!

攻撃した対象に追加攻撃を…

血が噴き出して、皮膚がズッタズタ…

装甲を穿つ程とは…


『Leptailurus finish!』


んなっ!?

「やっ…あっぁぁあっ!やめろっ…ッ!」


…空が綺麗だ




…赤が映える





…高速で飛ぶ影…影!?


「おいっ!?シキ君大丈夫かい!?絶対走馬灯走りかけたでしょ!?」


…『save mode』



ハハハ…こんな時まで己を褒める事になるとはね…


save mode 

長きにわたる装着、急激なダメージ、ダメージの蓄積などで発動する。


サンドスターロウが体に及ぼす力は未知数、だが正常に動いていない時には溶岩の如く硬くなる、それを利用し移動スピードなどの身体能力を捨て防御に全て性能を向ける。


今回だってこのsavemodeが無ければ腹に喰らっていたセルバル(あの黒レイバルさん)

の蹴りで内蔵が全部潰れてただろうなぁ…


…ナイス、俺


________________



ぐちゅぐちゅぎゅちゅ…むくっ

妙な音を立ててセルリアンがまた一体生まれた。


そのセルリアンは近くにいた黒い猫のようなセルリアンを呑み込んだ。


セルリアンは覚えた

セルリアンは成長した


セルリアンは “考えた”


________________



顔から一気に血が引いた気がした。

体は震え、背筋は感じた事の無い寒さに襲われた。


応急手当てを受け、くたっとした彼の胸に顔を埋め、手を握った。

滲んだ血の匂いが漂うがそんなことどうだって良い。


「…シキ君」



返答は無い。

…でも、顔が穏やかで。


怪我…酷いけど…


ごめんなさい、

ありがとう…


「おかえりなさい」


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