純情フリッパー
…えぇ?
「一目惚れってどーゆー事なんですか…俺に?俺になんですか?」
「そうよ…まぁ詳しい事は本人の口から聞いて。私達PPPは応援するし、ジェーンと仲良くやってちょうだい?お願いね?」
「は、はぁ。わかりました…」
しばらくしてそのジェーンさんがやって来た…文字通りの二人っきりと言う奴である。
「失礼します…」
…あぁ、もうなんでそんな嬉しそうな顔するのさ…こっちの顔まで緩むだろう…?
「…プリンセスさんの話の通りに行くと、ジェーンさんは俺に好意的に捉えられている…単純に言えば好かれてる…って事で良い?」
「…はい、そう言う事です。」
何故かジェーンさんは下を向いたままだ。
「…あっ…あの…そのぉ…わっ、たしと…おぉ…ト…お付き合い…して頂けますか…?」
…おどおどしながらも、丁寧に一言ずつ並べられていく言葉を聞いても俺に向けられた言葉だとは捉えられなかった。
「あのっ…OKのサインは…はっ…ハグで…お願い…します…」
ハグ…
恋人同士だったり家族だったり、少なくともフレンドリーな国民が多い国以外ならば特別親しい相手とするものである…
今までした覚えは…姉さん位か。
…もちろん断るつもりは無い。
メンバーさんも同意の上らしい…俺だってこんな事言われて正気失いそうな位嬉しいのはもう言うまでもない…。
____
…まだかなぁ…
ずっと目を瞑っているのでシキさんの状態が分からない…
…勇気出して告白したんだ、断られる事はないはず…
…戦ってる姿、寝ている時のお顔、優しい表情も声も…全部ひっくるめて…好き…です
「…」ポフッ
ギュウゥ…
あぁ…よかった…ぁ
「あの時」感じた胸の鼓動…何故か安心する暖かさ…吐息。そのすべてが私の体を包み込んだ…
あの時…私がシキさんの足を踏んで転けて…
そう、あの時だ。
何故か「運命」みたいな何かを感じた…
思い込みかなぁ…
「…ありがとう…ございます」
「望みに答えられています…俺…?」
「充分です…ただ、このまま。後、ちょっと、もうちょっと…」
____________
世の中のいちゃいちゃしている初々しい男女という輩共はこんな事をして喜んでいるらしい、という語りは置いておこう。
やぁどうもシキです。
おはようございます、アホです。
…寝落ちしました()
昨日ジェーンさんに体を預け預けられの状態で横になりクッッッッッソ寒い雪山の温泉宿であろう事か布団一枚もかけず敷かずのドアホの所業を晒した。今はタイプツーによると朝5:00頃、早朝という奴だ。
幸い昨日の一件で抱きしめていた俺の人生のつがい候補に俺の人生中で始めて名乗りを上げたジェーンさんのぬくもりで風邪をこじらせる事もなく、お互いをお互いが温めていたようで「肌寒いなー」位で助かった。
さてと…
こちらの関係も出来上がったが、こっちも出来上がったのだ…
「LBSystem Type2 version0ー2…完成!」
リスクもあるのはある…
だがしかしぃ!
この島でこのsystemversionを使えるのは俺だけだけだから…
ヒーローになるつもりなんて無い。
世話になる対価を支払うだけだ。
戦う理由が一個増えたし…ね?
…ジェーンさん?
「ぅ…ぅ…んぅ、シキさん…?」
「あっ起こしちゃいましたか…まだ寝てて良いですよ、全然早すぎる時間なんで」
「…寒いですよ~」
「ペンギンさんなんだから…ちょっと位我慢…出来ないんですね?わかりましたよ…」
こんな甘えん坊さんなのかジェーンさん…やっばい真面目に可愛いじゃないか…
守りたい人ってこーゆー事かなぁ…
…グレープさんの気持ちがわかるような。
べったりひっついてジェーンさんが離れないので撫でてたら俺を布団に寝始めてしまった、浴衣でゆったりした服装故にちらっと見える柔らかい肌が何ともダイナマイトにダイナマイだが…耐える必要性があるというのは大変だなぁ…
ん?嫌われない程度なら、相手の同意の上なら大丈夫だったり…?
…邪悪な考えはやめよう。
ジェーンさんを寝かせてお風呂に行って帰ったらPPPメンバーさんに囲まれた。
成り行きを説明したらなんか感謝された。
…実感湧いて来たかも。
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