リネンの休暇
んぅー…よく寝た…
あっおはようございます、ジェーンです。
…あれ?シキさん?
目覚めと共に辺りを見渡す、がしかしそこにシキの姿はない。
昨日一緒に寝たのは、今朝彼を布団に寝たのは、撫でて貰った喜び、告白の受け入れは寝ぼけた自分が作り出した夢の世界だったのかなんて思考を張りめぐらす。
…そんな心配はない、適当に置かれたテーブルの上にはお茶とじゃぱりまん、綺麗な文字で書かれたメモ書きが置いてあった。
…私だって文字位読める。
正確にはひらがな、カタカナだけだが。
かばんさんがゴコクに行き、「きょうかしょ」というものを持って帰ってきていた。
文字、数字という物を使った計算、海の向こうの陸やフレンズ…いろんなことが書いてあった。
私も練習して、ひらがな、カタカナが読めるようになった。書く練習は今している。
ひらがなとカタカナだけで書いてあったメモ書きには、
『
ジェーンさんおはようございます。
いまぼくはおんせんにいっています。
じゃぱりまんとおちゃをよういしました。
すぐもどりますね。
きのうのこくはく、うれしかったです。
これからもよろしくおねがいします。
シキ 』
とあった。
高揚した。
心臓が高鳴った。
確かに手書きのメモ書きもじゃぱりまんも嬉しい。だがそれ以上に、昨日の告白が嬉しかったとあるのだ…
「ふへへ…」
顔がとろりと溶けた。にんまりしている。
しばらくこのままだった。
____________________
ただいま戻りましたシキです。
PPPさん達は揃ってありがとうとか良かったとかって言っている。こちらも嬉しい限り。更に言うならば、「これからPPPのライブはしばらく無いの、羽を伸ばして来たら?二人で」という話、これすなわちジェーンさんといちゃいちゃしてらっしゃい、ということであろう?ちなみにジェーンさんは知ってるらしい。
…やったぜ。
「ただいまです~」
「あっ!ひきふぁん!おふぁえりなひゃい!…ゴックン、お茶とじゃぱりまん、ありがとうございます!」
可愛いなオイィ…
「いえいえお気になさらず。…というか勝手に離れて申し訳ないです。」
「大丈夫ですよ?…でも、ちょっと物足りない気もしますね…///」
…可愛いなァオイィ…
俺とジェーンさんとの間史上二回目、恋人同士がふわふわとするハグの儀。
俺は寝起きで所々跳ねた髪の毛を指で撫でながらジェーンさんの心音を聞いた。
一方ジェーンさんは俺のしっとりした髪の毛に柔らかい指を一本ずつ絡ませ腕に飛び込んで来る。
…暖かい。
ふわふわと気持ちが浮かぶ。風船の如く体も意識もお空の彼方へフライアウェイしてしまう…気がする…だけ。
…ジェーンさん、許してくれるだろうか。
あのぷりぷりした唇を…
キスを…
「…キスとか…します?」
こくりとジェーンさんが頷く…
行っちゃうよ?俺行っちゃうよ?
…突撃ィィィ!
「…ぁうぅ…ぁう…///」
おどおどした声も俺の耳には聞こえず、柔らかさがとびきりの彼女の唇は俺の唇で覆われる。
________________
…結局出発は次の日に。
昨日お前何してたって?
決まってんだろ…一日中ゲーム三昧。
格ゲーもいいしレースも良い…
彼女ほったらかしといて何がゲームだよとかって言われそうだが、彼女はどうにも音ゲーにハマったらしい。バチを楽しそうに振り回す彼女の様は形容しがたい。
…眼鏡
思い出したように話を進めて申し訳ない、俺は今眼鏡をかけている。
なんでもマーゲイさんの眼鏡を寝ている俺にかけベストマッチだったとか…
伊達だがな!
____________
…ふぅ、疲れた。
相変わらずセルリアンを生まれさせてはいろんなちほーに送り込むが、飽きてきた。
餌をこれだけ撒いても誰も火山を気にかけ無いのはびっくり。暇だ。
「今日は緑茶でも飲もう…」
「あの子」はいつ来るだろう?
「ペンギンさん」は良い子かな?
「人の子」はどんな子だろう。
もう一人はつまんない。
細胞の塊に成り下がりどーのこーの、コアを潰さなかったどーのこーの、面倒くさい。
…そう思わない?
『女王の成れの果て』…
「サー…じゃなくてレイバル~!遊ぼうよ~!…なんてネ。」
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