サンドスター・ロウ

…倒せたな?

よしよし。


『サンドスターを回収しましょう…』

「あぁ、了解」


ん?

「ねぇタイプツー、こんな所に魚居たっけ?打ち上げちゃったかな?」

よく見ると、鱗が剥げ腹がはち切れたようだった。

『それも含めて、少し予想もありますが説明します…とりあえず戻りましょう』

それもそうだね…

そう言ってステージ裏の掘っ立て小屋へ戻って行った。



____________________



「じゃあタイプツー、説明よろしく」

いつの間にやらPPPwithマーゲイさん+アラフェネさん+ビバプレさんという大人数で話を聞くことになった。

『なにから話せば…とりあえずは、何故魚セルリアンが生まれたのか、ですね』


「うえぇ!?魚のセルリアン!?」

ビーバーさんが度肝を抜かれたような声を出した。

『えぇ…そのような個体が居ましたね…』


「あれぇ?フレンズと会話出来ないんじゃないの~?」

そういえばそうだ…

ビーストはフレンズと会話出来ないんじゃな

かったのか?

『タイプⅡですから…普通のビーストとは違います。というか…生態系の安定の為だのなんだのってタイプⅠは言いますが、私は人が使う事前提なので、生態系もクソもないです』


なんでも、ビーストと関わると、人として対応され、食料(じゃぱりまん)の面などで問題が生じるらしい…

だがタイプツーは人が使うものであるため、フレンズを人として対応も問題は無く、緊急事態が起こらずとも、フレンズと会話出来るらしい。


『えぇっと、セルリアンの話ですね…恐らくあの魚セルリアン、面倒なのでウオリアンは、元々魚だったのだと思われます』

「ネーミングセンスゥ…まぁいいや。元々魚ってどーゆー事よ?」

『恐らく…ですが。このジャパリパークに居る動物の殆どが、体の中にサンドスターを保有しています。現在フレンズ化が確認されているのは、哺乳類、爬虫類、鳥類、それらを元にした一部の神々、宇宙人…?です。

ですが、フレンズ化しない生物でも体の中にサンドスターを保有している事があります』

「その辺の草にも…?」

『えぇ、十分にあり得ます。サンドスターは、空気中に漂った後、地面、草木、動物に吸収されますから…そして、サンドスター・ロウも…』


「サンドスター・ロウも…?なのか…。」

『たち悪いですからねぇ…サンドスター・ロウ。サンドスターを呑み込み、サンドスターを凌駕する勢いで増えていきますから…』


「でも、かばん達がフィルターをかけたのよね?」

『えぇ…サンドスター・ロウは発生していません…火山からは殆ど。』

「火山以外で増えている…って事?」


『…セルリアンには2種類居ます、セルリアンになるべくして生まれたモノと、セルリアンになってしまったモノです』

「頭パンパンなのだ…もうよくわからなくなってきたのだ…」

「アライさ~ん…休む~?」

「がんばるのだ…」


無慈悲な解説は続く…

『セルリアンは、主にサンドスター・ロウが無機物に当たると生まれるようです。ですが、先ほどのウオリアンのように、体内にサンドスターを保有している動物にサンドスター・ロウが当たると、まず体内でサンドスター・ロウが増えます。その後、体内をサンドスター・ロウに蝕まれた動物はセルリアンになってしまうようです…あくまで推測…ですが。そしてそのセルリアンがサンドスター・ロウを放出、他のセルリアンが増殖して行きます…火山の噴火でも微量ながら発生しますが…』


ただのセルリアンでは無く、元の動物の特徴を引き継いでいるのは、セルリアンにコピーのような能力があるかららしい…


「…ということは、私達の体にサンドスター・ロウが入って来ると…?」

『フレンズ型のセルリアンが発生するでしょうね…』

「こわ~い…」


「さっき魚の死体が転がっていたのは…」

『元々魚だったセルリアンを倒したので…後はわかりますね?』

「あ…うん…」


『そしてシキ、さっき装着にフレンズのサンドスターを使いましたよね?』


「あぁ…刺して使った奴?」

『あれは、そのセルリアンのコピー能力を真似して、サンドスター・ロウを利用しています。フレンズの体内で生成されるサンドスターというのは、そのフレンズの遺伝子情報、つまりDNAと同じような作りがあります。そこで、サンドスター・ロウを使いそのフレンズのサンドスターをコピー、培養して、そのデータを装着しているビーストアーマーに送ります。』

「それで変形して、泳げるように…」

『身体能力もフレンズに近くなりますから』

「体に害は?」

『ないですよ、人はサンドスターもサンドスター・ロウも影響受けませんから。』

「ふ~ん…」


この解説をすべて理解出来たのは2人だけだったようだ…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る