ごはん!

ふっと目が覚める。

夜になかった光が差し込む。


窓をふさぐ本棚の隙間から覗く光が都合よく出来た光で、俺の目を焼きに来ている。


「おはようございます…」

朝はあまり得意ではない。

「おはようございます!朝ごはん、出来てますよ!」

「まったく…朝から元気ですね、かばん」


夜行性のフクロウさん達は朝が弱いようだ。

早起きは三文の得とも言うが、朝は眠いんだよなぁ…


さてさて…

超居候な俺の分までせっかく作ってもらってるんだ、ありがたくいただいておこう。

メニューは…ご飯に味噌汁に青菜のお浸しに卵焼き…ウーン!美味しそうだぁ…


ん?卵焼き?

「エェェェェェ!?」ガタッ

「ど、どどうしたのぉ!?」


俺の後から起きて来ていたサーバルさんが俺の叫びを聞くなり跳び上がった。


「え?だってこれ卵だよねでもここには鳥のフレンズのフクロウさん達だって居る訳でそんなひょいひょい食べて良いようなもんじゃないような気がするんですけどぉ!?」


テンパった。

卵。嫌いなんじゃない。

好き。大好き。

でも目の前に鳥(のフレンズ)が居る。



「…まったく、どいつもこいつも落ち着きが無いのです。」

「我々が食べているのは無精卵という卵です。心配ご無用なのです。」



えぇ…

イメージ!イメージ!


「元はといえば我々も猛禽類。狩りをして

生活していました。」

「卵くらいちょいちょいが日常茶飯事です」



えぇ…

魚、卵はよし…か。


「それに…」

「それに?」


「我々、いただきます、ごちそうさまはちゃぁんとするのです。」

「厳しくも美しい自然に、感謝の念を伝える為にも、心は大事なのです」



「…凄いや」

人間の俺でも、ここまで考えてカップラーメン食ったことないや。


「もちろん我々、とぉぉぉっっっても深く深く深く深く深く考えに考えているのです」

「意味があってこその行動なのです」


「ありがとう、勉強になったよ。」


「もちろんです!」

「何故なら…」


「「我々は賢いので」」どやッ!


「コノセリフガナカッタラ、カッコイイデスンダノニ…」

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