りょうり

「…やはり」

…?

さっきから博士さんも助手さんも妙に嬉しそうなんだがなんなんだ本当…

「かばん、あれを用意するのです」

「良いんですか…?」

「…長の命令です。拒否権は無しです。」

「わかりました…」

「…一体何の話ですか?」

「シキ。お前の実力を見せるのです。」

「我々が満足できるような、りょうりを作って見るのです!」

りょ、料理!?



___________________

「食材、調理器具の使用は、ここにあるものを使うのです」

「今回は特別に時間制限は設けないので、しっかり作るのですよ」

「もちろん、火は自分で手に入れるのです」





はぁ、なんで俺が料理なんか…

まいっか。

えぇと材料は・・・

人参に玉ねぎにジャガイモ、香辛料に塩、コショウのような調味料と米…

カレー食いたいだけじゃないのか…これ。



____________________

{やりましたよ!博士!}

{やったのです!助手!}

{かばんがいなかったので、長らくカレーにありつけていなかったのです。シキの実力を図りつつ、りょうりにありつけるのです。}

{さすがこの島の長ですね!ハ・カ・セ}

「そ、それほどでもないですよ!」

「…声が大きいですよ…博士…」


____________________


どうせ長さん達はカレーが運ばれて来ると思っているはずだ。

でもな、

米と、

塩があるじゃろ?

これを使うんじゃ。

そう、おにぎりだ。

米!塩!Best match!

Are you ready?

キング オブ ライスボール!

ソルトライスボール!

イェーイ!




真面目

おにぎりとは…

名前の通り、米を握り、形を整えたものだ。

中にシャケや、コンブ、しぐれ煮などが入っていたり、混ぜご飯を握ったものなど様々。

今回はシンプルに塩むすびにしよう。


まずは火おこしだ。

今は日が照ってくれているので、虫眼鏡を使おう。

てことで、虫眼鏡を借りて来た。

麻に火をつけるために、光を集める…

そうしたらこれを木に移して燃やす!

米を炊いて…

ここからが本番!

まず、炊きたてのご飯を飯ごうから他の容器に移す。

そうしたら、塩をまぶしつつ、混ぜる!

形を整えたら…

ほい完成!





「おや、意外と早かったですね。」

「…お前、なんですかこれは!」

「米を握っただけのものを出すなど聞いてません!説明するのです!」

「俺、カレー作れって言われてませんよ?」

「うぐっ…でも、白い米が握られているだけ、こんなのが美味しい訳…」

「モグモグ…うん!これすっごーく美味しいよ!」

「!?サーバルはおかしいのです!こんなの白米を握っただけ…」

「シンプルで良いですね!何個でもいけます!僕こんなの思い付きませんよ?」

「…あそこの二人がおかしいだけ…って助手!?大丈夫なのですか!?」

「ふむ・・・米の甘さが引き立っていますね。なかなか美味しいのです。」

…そんな…

ウソです…

米を握っただけ…

いや、食べて決めるのです!

パク。モグモグ…

…美味しい!

シンプルで何個でも食べられる!

凄い!新発見です!

「シキ!レシピをかばんに教えるのです!」

「俺ですか?」

「そうです!早くするのです!」

「…俺の自由時間は?」

「教えるのが先です!」



シキの自由時間が消えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る