私と碧くんのおはなし。
のりぞう。
物語のはじめ
――例えば、超能力とか魔法とかそういう特殊能力っていうのは、信じてないわけじゃないけど、それでもやっぱりどこかで疑ってるものじゃないかって思うんだよね。事実、私の特技(能力、とは言い難いんだけど)って、信じてもらえない方が多いから。
だから、結局、特殊能力(そういうもの)は実際、自分の中に持ってなきゃ、自分で使うこと、もしくは自分の目で確かめなちゃ、100%信じることなんてできないんじゃないか…最近、そう思うんだよね。
そんな風に考えてたから、私の特技のことをクラスメイトの碧くんに話したときに、
「信じろと言う方が無理だろう?」
って言われちゃったとき、半ば諦めてしまってて、それでも、ちょっとばかし悲しかったけど、やっぱりなぁってなんか妙に納得してしまった。
確かに信じろって言う方が無理なことだと思う。
「――やっぱり、信じられるわけ、ないよねぇ」
溜息ついて私が言う。
……この世の中、一体何処の誰が、『私は雨を降らすことも止ませることもできるんだ』って言って『はいそうですか』なーんてすんなり信じるって言うんだろう。
私が少しばかり落ち込んでたら、碧くんはちょこっと困った顔をして、それから言った。
「……別に、全面的に信じてないわけじゃないんだが……」
結局、こういう碧くんも普通じゃなかったんだけど。
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