96.擬音表現
どこかで一度書こうとは思っていましたが、何やらあちこちで話が持ち上がっているのでこの機会に書こうと思いました。
小説を書いている中で、人によって考えが分かれるのがこの擬音を用いた表現です。自分もかつては用いていたことがありますが、現在は極力用いないようにしています。
何故かと言うと、擬音を使うことはとても利点が多いからです。
この一語で何が起きているのかを言い表すことが可能です。「カン」や「キン」で何か固いものがぶつかっていることがわかります。「ドカン」で爆発、或いは重量のあるものがぶつかって何かを壊すなど、汎用性が非常に高いのです。
だからこそ、私はこれを使うことに制限をかけています。それに頼りすぎることで自分が表現したいことを表しきれないからです。その一語に集約されている部分を表現するためには、自分の覚えた語彙を総動員する必要があります。普段蓄えた語彙をしっかり使える機会なのです。だから私はそこで一語で表現することを避けています。
例えば爆発のすさまじさを表現するのに「チュドーン!」だけでは足りないと自分は思うでしょう。何がどう壊れるのか、吹き飛ばされるのか、主人公の目の前に映し出されているのはどんな光景なのか。その結果、どのような事態が起きているのか、何を思うのか。そこを書きたいのです。
とはいえ、それが必ずしもいいとは思っていません。その部分はそこまで重要なのか、むしろ描きたいのがそこではないのであれば、私は擬音を躊躇なく用いるでしょう。
私はアマチュアです。今はあらゆる表現を試し、覚え、自分の描きたいものをしっかりと表現できるようにしようと思っています。現時点では使わない表現を鍛えているといったところでしょうか。
擬音を用いるのは語彙力が足りない?
文章が陳腐になる?
いいえ、その小説に合った表現が存在しています。だからこそ、どんな表し方をするのかは作者自身に委ねられるのであって、それもまた書き手の味ではないかと思います。
用いるか否かは人それぞれです。だから特にこれを使うことに対して否定的な考えは持ちません。必要ならば使う。それでいいのではないでしょうか。
戦いの激しさを表すならキンキンだろうがガンガンだろうが。ドカーンだろうがいいのですよ。読者が読みやすい文章を書くのも書き手の務めですよね。(自分ができているとは言わない)
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