28.書き続けろと言う理由

 以前より、書き続けることが大事と言う旨の発言をしております。では、どうして書き続けることが大事なのか、その一端を述べたいと思います。


1.自分の文体スタイルの確立

 作家それぞれ、表現したいものは違います。そのため、一人一人が重視しているものに文体も特化していきます。同じ題材を扱っていても、心情メインなのか、戦闘描写メインなのか、重厚さが、軽いテンポが、知識に裏打ちされた地の文etc...

 それぞれが書く物語に違いが出るのは、書き続けて次第に自分のスタイルが確立してくるからでもあります。しかし、これは一朝一夕で身につくものではありません。拙くても物語を書き進める。完結させる。改稿する。様々な手段で多くのパターンで書いている内に自分なりの書き方が確立していきます。


「表現したいシーンの情景は浮かぶのに言葉が浮かんでこない」


 こんな経験は私も初期に何度もありました。今でも完璧と言える表現は自信をもってできているとは言えません。ですが、そこにこだわって作品のペースを落としたり、執筆が止まってしまっては非常にもったいないのです。

 まだまだ成長できる要素がある。そう考えて今は可能な限りベストを尽くす。ベストでなくてもベターへ。そういう妥協ならよいと思っています。



2.備えた語彙の使いどころが分かってくる

 「色んなクイズに正解できるくらいに語彙は豊富なのに、書く時に言葉が出てこない」なんて経験はあるのではないでしょうか。当然です。それはあくまで「知っている」だけなんですから。自分が何かを表現する際に適切な言葉が出て来るかはその回路がそこへとしっかり繋がっているかどうかです。ありきたりな表現にしかならない、拙い文章にしかならないというのなら使い慣れている単語に回路が独占されているからです。書き続けている間には言葉を調べたり、思いついた言葉を使ってみようと文を直したりすることがあります。その積み重ねで徐々に言葉の使い方が身についてくるのです。

 私自身、一年以上書き続けてある日突然「ちょっと難しい言葉が出て来るようになったな」と思うようになりました。表現に幅が出てきたところで過去の作品を見直してみたらどうでしょう。案外手直しが捗るのではないでしょうか?


 これからも書き続け、どんどん力はついて行くでしょう。果たして行き着く先がどこなのか。楽しみに創作を続けていきたいと思います。

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