24.あらすじを考えてみる

 タイトルで興味を持っていただき、いよいよ読んでもらえる……その前にもう一つ、関門がありました。あらすじです。ここで読者がどんな話かを知ることになるわけですが、ここで興味を引けないと帰ってしまうかもしれませんよね。逆に、何気なく訪れたらあらすじを読んで興味を持ってくれるパターンもあります。


 私が特に苦手としている分野はここです。物語がどんな話なのかを短く表現するわけですが、毎度頭を悩ませています。ある程度はプロットを短くしたような形にするのですが、ネタバレをできる限り封じたいために、物語の根幹になる部分を書けないのです。

 初めて手に取った小説は、まずあらすじを読んでみます。そこに何が書いてあるかで物語への期待値は高まります。書店に並んでいる小説はシリーズものになっていれば「人気なんだな」とは思いますが、それだけで買うわけではありません。

「アニメ化決定」

「〇〇先生の最新作!」

 などなど、必ずその作品の期待値を高めるものが書いてあります。その中であらすじはタイトルと同様に、作者が自分で考えて書く必要のあるものです。いわば自らの力で作品を生かすことも殺すこともできるわけです。だからこそ、物語の要点を押さえた上で、読者に期待感を持たせるあらすじを何としても作り上げてなくてはなりませんね。


 さて、今でも私自身が模索し続けているわけですが、あらすじは大きく分けて二つです。

1)物語のオチを書く

 その話が大まかにどんな話なのか。物語をストレートに伝えるのには有用です。

「ある日突然謎の施設に閉じ込められ、殺し合いを強制された12人。幼馴染の女の子を守る中で主人公はこの殺し合いの裏に潜む巨大な陰謀に気付いていく」みたいな感じですね。コメディ系もこちらで行けるかもしれませんね。ですが、話のオチを言ってしまうので「お約束」が保証できる反面、いい意味で読者を裏切ることができるのか、書き手にも腕が要求されますね。


2)物語のオチを書かない

 物語に含みを持たせる、ミスリードを誘う。などなど、色んな思惑の上で使えるやり方です。ですが、物語の大事な部分を伝えられないので面白さ表現するのに苦労するかもしれません。

 先の例だと「謎の施設に閉じ込められた俺は、襲い掛かってくるデスゲーム参加者から幼馴染を守るために戦う道を選ぶ。飛び交う銃弾、裏切りで命を落とす参加者。終わりの見えない殺し合いの果てに俺たちは……」みたいな感じでしょうか。

 終盤まで黙っていたいネタがある場合はこちらでしょうね。ミステリーやシリアスで使えそうです。


 1と2、どちらも長所があり、短所もあります。この辺を使いこなせるようになって、その物語に最適なあらすじを完成させてみたいものです。

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