6.誰だって書き手になれる

「こんな話無いだろうか」

「ここ、こんな展開なら熱いのに」


 自分の求めるお話に巡り合える機会というものはなかなかないものです。仮に見つけたとしてもいつかそのお話には終わりが来ます。


「もっと読みたい」

「もっと好きな話を見つけたい」


 そう思うのならいっそ小説、書いてみませんか?


 そう言われてもハードルが高いと思うかもしれません。多くの理由としては以下のものではないでしょうか。


 1.小説を書くだけの言葉を知らない

 2.「自分のド下手な文章なんて……」(自分の文章に自信が持てない)


 もちろん、コンテストなどに出したり、本気で小説家を目指したいのならば鍛える必要はあるでしょうが、ただ作品を作ってみるだけならそこまで気にする必要はありません。


 実を言えば私自身、先に挙げた1と2の両方に該当していました。

 漢字は読めても書けない。慣用句を知らない、小説の登場人物の心情が読み取れないなど国語は苦手な科目と言えるほどでした。


 小説を書き始めた動機としてはいくつかあります。


 ・自分で小説を書いたら心情を読み取れるようになるのではないか。

 ・漢字を書く機会が増えるから覚えるのではないか。


 そしてもう一つ。


 ・せめて空想だけは理想的な世界が存在して欲しかった。


 というものがあります。元々いじめを受けていて、アニメや漫画で見るような友達同士の友情、絆と言ったものを身近に経験したことがほとんどない人間でした。

 だからこそ、想像の中だけでは理想的な友人関係、絆と言うものを思い描きたかったというのが書き始めた動機の一つでもありました。


 書き始めた頃は酷い物でした。元々作文が大嫌いだったので長文など満足に書けるはずもありません。最初は数百字を書くだけで精いっぱい。おまけに会話文だらけで地の文など無いに等しい乏しい表現でした。

 それでも2話、3話と続けることで書くことのできる文字数は増えていき、様々なネタを盛り込めるようになっていき、ちょっと難しい表現を使ってみようと思って辞書で言葉を調べて、自分の力がどんどんと高まって言った覚えがあります。


 これが中学二年生の頃のお話です。そこから捜索を続けていき、気付けば高校入試で国語が90点台。高校一年生の時には漢字検定三級を軽々突破。

 元々の素地も関わっていた部分はありますが、今では文章を書くことが最も好きなことの一つになっています。


 そして、受験期からしばらく間が開き、創作活動を本格的に再開したのが約二年前です。「魔王の娘と花姉妹」はその頃から書き始めた作品です。

 現在は改稿を続けてどんどんクオリティは上がっていますが、書き始めた当初はやはり酷いものだった覚えがあります。


 やはり長年創作を続けていても満足のいく文章を作ることができるというのは難しいものです。恐らくみんな同じような思いを抱えているのかもしれませんね。


 おっと、かなり脱線してしまいました。

 結局、執筆をすることでいいことはかなりあるということです。

 例えば言葉の使い方を覚えること。これに関しては好きな作品や参考にした作家の影響をモロに受ける部分があるので癖がそれぞれ付きますが、できたら読み手にわかりやすい文章を書けるようになるのが望ましいですね。


 また、私はこれが小説を書いていて一番やりがいを感じる所なのですが、得た知識・経験を全て小説に使えると言うことでしょうか。

 勉強したこと、見て聞いたこと、それらを生かす機会と言うものは人生の中でなかなか出会うことができません。社会人になればなおさらです。

 自分の仕事にまつわる分野は当然強くなっていきますが、それ以外はどんどん衰えていきます。

 ですが、クオリティの高い小説を書くためには様々な知識が要求されます。調べなければ満足に書けません。そこに、これまで得た知識・経験が生かされる訳です。


 様々なことを調べ、もっと色々なことを経験したくなります。そうして得たものは自分の力として各所で行かされることになります。

 簡単に言えば、「物知り」になれます。世の中のことをしっかりと見て、自分なりの言葉で考えて言葉を紡ぐことが可能になります。勉強というものの意義をしっかりと実感できる瞬間でもあります。


「勉強は大事」そんなことを言う人の中にはどのように大事なのかまで教えてくれる人は少ないかもしれません。(自分自身で見出すものだからということもあります)

 少なくとも、自分は勉強することによってもっと良い作品を、さらなる新しいジャンルを書くことができるようになると思っています。それらを書くためにももっと色々なものを見たいと思っています。それこそ人生を豊かにすることができますね。


 人生を楽しくしたいのなら、小説を書いてみてはいかがでしょう?

 もし、自分の中に思い描いている世界があるのであれば、それを誰かに見せてみませんか?


 あなたの世界に触れる機会を楽しみにしています。

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