No.64「突然」


グレイ「運命を変えることは本当に不可能なら…それを覆すまで。世界を創るために…」ビジョン「…世界を…創るためだと?」

「ゴホッ、ゴホッ…ゲホッ!ゲホゲホ…ゴホッ!」咳き込むビジョン「と、とにかくこれ以上罪を重ねる必要は…ない…はずだ、まだ間に合う!火を消そう!」グレイ「……イヤです。」ビジョン「な……!?ゴホッゴホッ…しっしかし…、このままでは君も…ゴホッ!ゴホッ…ただではすまないぞ……」

グレイ「……上等だ」

ビジョン「な、なにを……!」グレイ「ビジョン医師、最期にいいものを差し上げましょう。」ビジョン「うっ!」「ビシャア!」ビジョンに液体を投げ掛けるグレイ


グレイ「死という……素晴らしいものをね」ビジョン「ま、まさか!?これはーーッ!!!」

グレイ「私の脳波を調べた時点で…あなたがこうなることは決まっていた…。」グレイがビジョンにかけたのは油だった。ビジョンは苦しみ、叫び出す「うぁあああッ!うわぁああああああ!!あああッ!暑いぃッ!!助けてぇーーー!!」

グレイ「あなたがこれを運命だというのなら、それはそうなのだろう。」

ビジョン「うぅわぁああぎゃああああああ……」

グレイ「だが私は違う。例え決められた運命でも…私は私をやり遂げる」燃える音「ゴォォォオ…」

グレイ「それが定められたことだとしても…可能性を破るまで…私は終わらない。」


レッドテン病院の火災は多くの人々が驚愕した。世界一大きい病院が一夜にして全焼したのだ。人々は驚いた。世界一凄い病院も燃えてしまえば人の命と同じように無くなってしまうのだ。

…まるで無くなってしまうのがわかっていたかのように…昨日まであったものが消えてしまう。

突然とは運命が齎す出来事の前兆なのかもしれない…


世界一の病院が一夜にして灰になった事件…世界中に映像という形で情報が流れた

情報員「世界一の科学力を持っているレッドテン病院が、一夜にして炎上、崩壊しました 病院内にいた人々の大半が死亡、そのなかには病院長のレッドテン医師も含まれており…」

ピッ!スイッチを押し、映像を消すフラック。

フラック「全く…ひどいニュースだ…本当に悲しいよ………」

「グレイ……お前…死んじまったのか………」

フラックが情報紙を眺めている。視線の前にはあるのは…レッドテン病院火災による被害者のリストだった。

フラック「1階 受付……2階……3階………なんで…お前が4階の研究室で亡くなってるんだ……?……なんでお前は死んだんだ?……わからないよ……グレイ……。」

その情報紙の被害者リストにはグレイの名前が載っていた…


グレイは死んだ。誰もがそう思っていた。


だが…!


「…まさかあなたから助けてもらうとは…思ってもいませんでしたよ…キーン殿…。」

キーン「アッハハハ!…何だかんだであなたも死ぬのが怖いのね、グレイ……。」

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