No.53「思惑の夜」


(…レイ…。)「グレイ…!」

ガイア「グレイ!」グレイ「…ガイア…くん…。」ハム「大丈夫かい?グレイ…。」グレイ「ここは…?」ガイア「レッドテン病院だよ。食堂で急に倒れたから保健室に運んだけどいくら呼んでも返事がなかったからな。救急車で運んでいたんだ。」ハム「脈が止まっていたからな、死んだと思ったよ。そう思った時、お前の脈拍が戻ったんだ。」


グレイ「…どうしたんだろ…。」ガイア「こっちの台詞だよ!いったいどうしたんだよグレイ…。」


???「目が覚めたのかい!?」


ハム「先生!」グレイ「先生?」ガイア「レッドテン病院のビジョン先生だよ。」


ビジョン「君が倒れた原因は恐らく、突然起きた記憶障害が起こした何らかのショックだろう。」グレイ「…。」


ビジョン「昨日、何があったか覚えているかい?」

グレイ「いえ…。」

ビジョン「…そうか。まあ、今はしばらく入院して徐々に調子を戻していこう。」グレイ「はい…。」


ガイア「じゃあな、グレイ。」ハム「無理するなよ。」


その日の夜は、緑色に光る大きな星が辺りを薄く照らす夜だった。


だが、グレイは不思議とこう思っていた。


グレイ「…。」

グレイ(…昨日って…あったのかな?)



一方でその夜、レッドテン病院では病院の医師たち、研究員らがグレイの頭の脳波をモニターと呼ばれる画面で見ながら意見を出し合っていた。


研究員らがざわつきながらモニターに映るグレイの脳波を見ていた。

その中にはあのビジョン医師もいた。


研究員「ビジョン医師…。やはりこれはこの世界に必要なものです。」ビジョン「うむ…しかし…その力を得るということは彼の命を奪うことになる…。」

その場には、レッドテン病院の院長もいた。

レッドテン「この世界を救うためなら多少の犠牲はあっても良いのではないか?」

ビジョン「…そうでしょうか…。」

レッドテン「とにかく、世界の為に政府にこのデータを持っていってくれ。この世界を救えるかもしれないこのデータを…大至急にだ!」研究員「了解しました!」

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