No.30 「クリムゾン帝国」

ロットとグレイが空中を飛びながら話をしているロット「策がないって…!一体どうやってこの戦を止めるおつもりですか!?」グレイ「大丈夫!なんとかなるから!」ロット「…!?…どうなんとかなるというのです!?いくらグレイ様でも無鉄砲すぎる!」グレイ「心配するな、僕に任せろ。きっと大丈夫だから…!」ロット「…仕方がないですね…。信じてみましょう。」グレイ「ああ、ありがとう!」(!空の空気が変わってきた…)グレイ「ロット!防備マスクを!雲の下へ降りる!」ロット「ん!?あ、はい!」

雲の下へ降りると、少し赤みがかった黒い煙が辺りを舞っていた。

グレイ(酷い…)ロット「なんという景色だ…まるで地獄…。」

二人のその眼の先には夥しいヒトの数、赤く黒く染まった地面に、ゴロゴロとヒトの残骸が転がっていた。

グレイ(あれは…!)

グレイが目の当たりにしたのは、明らかにヒトとは違う別の物体がヒトを追いかけ回しているところだった。

ロット「何だありゃ!?ヒトじゃあないぞ!?」


ゴオオォォー…。


その時、遠くから何か音が聞こえてきた。その音は徐々に大きく鳴りながら空を飛んでいたグレイとロット目掛けて向かっているように聞こえる。

ロット「飛行機だ!こっちに来る!」グレイ(!!)(チャッ!)ロットがスナイプ銃を構える グレイ「ロット!撃つな!避けろーーッ!!」ロット「え!?うわッ!」

二人の間を横切る飛行機。それは、クリムゾン帝国の飛行機だった。


飛行機のパイロット「あれは…!ラック国の第2王子か!?死んだはずではなかったのか…!」

ピー。ピー。ピー。

パイロット「無線通信?」???《殺すな。殺さずにあの二人を連れてこい。》パイロット「りょ、了解しました!」


ゴオオ…。


飛行機がゆっくりとグレイの元へ近づいてくる。すると飛行機の窓が開き、パイロットがグレイに話をかける。


パイロット「連れてこい!マグマ皇帝がお呼びだ」グレイ「!」ロット「マグマ皇帝が…?」




クリムゾン帝国皇室

マグマ「グレイ…とかいったかな?しぶとい奴だな。」グレイ「…何故…、…私たちをここへ…?」マグマ「何故かって?君こそ私に話があったんじゃないのか?」グレイ「それは必要なくなりました。貴方に戦をしてほしくないために会談をするつもりでした。…でも貴方は始めてしまった…滅亡の時間を動かしてしまったんだ。」マグマ「…ふん。滅亡の時間ねぇ…。確かにそうかもな。…そうだ。お前に面白い物を見せてやろう。フレア!アイツを連れてこい。」フレア「はいよ!ちょっと待ってな。」グレイ「…!?」


グレイ「!!!」

フレアという者が連れてきたのは、手首に輪が繋がれた血まみれのワイト王だった。

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