No.29 「とても優しい神様」

クリムゾン帝国領土区域内 に突如、濃い霧がかかる 兵士たち「な、何だこの靄は…?」兵士「何だ!?あの影…!!」濃い靄のなかから大きな人影が現れる。兵士たち「化け物だぁ…!!うわあぁぁ…!!」兵士たちが逃げていく。グレイ「…ヒューマ・オール、ここでいいです。ありがとうございました。」ヒューマ(ウム…。お前一人で何ができるか解らんが…。まあ…頑張ってこい。)クスッと笑うグレイ「ヒューマ・オール、あなたはとても優しい神様ですね。」ヒューマ(…!?)グレイ「(頑張ってこい)だなんて…まるで僕は貴方に何か託されたみたいだ」ヒューマ(託されたみたいではない。託したのだ。お前に…この星の未来を…。)グレイ「貴方の言うことは…。…まだ理解しないようにしておきます。貴方が何を思ってこの星の未来を僕に託したかはわからない。だからこそ、その意味を自分で必ず見つけてきます。そして…これ以上この星の希望を無くしてしまわないためにも…、戦を終わらせます。」ヒューマ(…。)(!)グレイがうつむき涙を流す。グレイ「…ヒューマ・オール…。本当にありがとう。頑張ってきます!」ヒューマ(…じゃあ…達者でな…。)

ズゥーン…。ズゥーン…。

グレイ「ロット!ロット!起きろ!起きろったら!」ロット「…ん…。」グレイ「…ロット!」ロット「…グレイ…さま?」ハッと起き上がるロット「グレイさま…!本当にグレイさまですか?!」グレイ「ああ…そうだよ!ロット!」ロット「い…生きておられた…よかった…!」泣き崩れるロット。そのロットの背中に優しく手を置き話をかけるグレイ「ロット…僕も同じ気持ちだよ…!でも、今は再会を喜んでいる余裕はないんだ。力を貸してくれ。」グレイは大規模な戦が起きていることを話す。このままではヒトは全滅してしまうかもしれないということも…。

グレイ「…という事なんだ。」ロット「なんとそのようなことが…!」グレイ「だから行こう!戦場へ!」ロット「空を飛ぶならスカイホープが使えます!」グレイ「よし、行くぞ!」

パウッ!

翼を広げて戦場へ向かうグレイとロット



ロット「ところでグレイさま、策はあるのですか?」グレイ「策?ない…かな。」ロット「ほえ?」

暗雲のなかを飛んでいく二人であった…。

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