ペンの蓋を割るぐらい歌が好き。


 小学生の頃の話です。多分二年生ぐらいの。勉強机の椅子に座って、鼻歌を歌ってたんです。フンフーンって。まだ小さかったものですから、床に届いてない足も、ぷらぷらさせながら。暇だったんでしょうね。珍しく、外にも遊びに行かないで。弟や近所の友達と、台風が近付いている日に限って外に飛び出したがっては、強風の中凧揚げをしたり、当時はまだ真っ黒だったゴミ袋を、頭に被って走り回ったりと、活発と言うか、馬鹿だったんですけれど。探検と称して、廃墟に侵入したり。多分偶然、近所の友達が不在だったんだと思います。それぐらいじゃないと、家にいませんでしたから。


 それで鼻歌なんですけれど、リズムキープの為に勉強机の縁を、右手に握った名前ペンでカンカンと、叩きながら歌ってたんです。いえ、当時はリズムがどうなんて知りませんから、歌に合わせて、叩いてたんでしょうね。子供の力ですから、軽いものです。あくまで鼻歌に夢中でした。何の歌だったのかはサッパリ思い出せないんですけれど、当時の私はその歌をとても気に入っていたようで、その割には歌詞は覚えてなくて鼻歌なんだなとも今となっては思いますが、まあフンフン歌ってたんです。その内熱が入って来てしまって、数分後には、カンカンと勉強机の縁を叩いていた名前ペンの蓋は、私が叩く余りのその勢いに、割れてしまうんですけれど。ペンの蓋って、ポケットに引っ掛ける部分があるんじゃないですか。そこが根元からボッキリ。


 バキッと、プラスチックが割れる独特の音が部屋に響くと、私は我に返り、部屋は無音になりました。幼い私は、「やべ……」と思います。物は大事にしなさいと、普段から母に言われています。鼻歌で折ってしまったなんて言ったら、多分怒られるでしょう。まあ蓋のパーツが壊れただけであって、書けなくなった訳ではありませんから、まあいけるだろうと内緒にしました。結局その名前ペンは、インクが出なくなるまできっちり使い切りまして、物持ちがいい私としては、不覚の思い出です。


 ってこれ、小二だから可愛いもんなんですけれど、その後にも多分もう一回やってるんですね。中学生ぐらいの時に。今度は赤のボールペンが、ポケットに挟む部分がもげた上に、蓋がそこから縦に割れてほぼ半分形を失うという大打撃を与えてしまうんですけれど、高校生になっても暫く使ってました。人体だったら左右どっちかの半身が消えてる状態ですね。もう蓋じゃありません。でも結構インクは持ちました。友達に赤ペンを貸す度に、「木元さんの赤ペンめっちゃ痛々しい……」だの、「何でそんなんなってんの」だの色々言われましたが、「嫌やったら他の奴に借りろ」と、理由は絶対に教えませんでした。入学から卒業までの三年間、常に学年成績を五位圏内にキープしていた成績優秀者の木元さんが、鼻歌でテンションが上がり過ぎて、赤ペンを壊したなんて言えません。確実にお勉強が出来るだけの変人扱いされます。あるいは、勉強をし過ぎて馬鹿になった奴か。私だって勉強なんて嫌いでしたけれど頑張ったんですぅ! 真面目かつストイックってこんな性分で、程々に生きられる訳が無いでしょうに……。「フンフーン」がいつの間にか、「フンフーン!!」になっていて、「カンカン」は、「ガンガン」になってたんでしょうね。馬鹿じゃねえの……。まあ、熱が入りやすい私の事ですから、考えられなくは無いです。今はもうしません。ペンを見ているとふと思い出したので、書いてみました。



 さて、今日は書きましたよドブコン。2,874文字です。モンハン効果。何となく掴めた気がするんで、暫くゲームはやらなくても大丈夫そうですね。今作のモンハンは個人的に難易度が低めなので、久々にプレイしてもそこまでボコボコにされなくてやりやすいです。明日も頑張りましょう。



 では今回は、この辺で。



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