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「ふぅ」
歩きながら空を見上げるとこれから雪が降るなんてとても思えないような青空だった。
「うーん、青春か」
実は昨日、偶然咲和ちゃんに会っていたのだ。明日はセンター試験で、先輩が受験するから見送りに行く、と。しかもその先輩は春喜君や咲和ちゃんの高校で有名なイケメンさんと来た。
だから多分、その話を聞いた春喜君がそわそわしながら駅前に居たのだろう。
と言っても。
咲和ちゃんは別にそのイケメンさんが好きなわけじゃなくて。ただの友達の付き添いだそう。きっと春喜君はそれを知らないのだ。
「あーいいねぇ」
あの二人は本当に漫画やドラマみたいだ。世話焼きの幼馴染に、想いを寄せる不器用な少年とか。楽しいって言ったらさすがに殴られるか。でも見ているこっちとしては楽しい訳で。
「絶対咲和ちゃんは良いママになりそうだよな」
なんて、気が早いか。肝心の咲和ちゃんはまだ愛だの恋だのって感じじゃないし。部活の剣道が楽しそうだし。春喜君の気持ちも伝わってないだろうし。
二人はまだ高校生。まだまだこれから。若いってことは時間があるってこと。やれることが沢山あるってことだ。
「おじさんは応援してるぞ」
そんな羨ましい展開、応援せずにはいられない。
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