時代小説はこのサイトの内外問わず数多くありますが、ここまで型破りな作品は見たことがありません。何しろ横文字が飛ぶ。ネットスラングが暴れまわる。地の文だろうとセリフの中だろうと御構いなしです。あまりに堂々と使われているものだから、一笑とともに腑に落ちてくるものがあります。にも関わらず、本筋は史実を踏まえた真面目な展開なのが心憎く、かつ分かりやすい。桶狭間以降のカオス極まる三駿の戦乱を、ゆるくコミカルに追体験できる良作です。