追憶の召喚
りょーさん
第1話 プロローグ
-20○○年12月-
PM9:30
この物語の主人公である凌は寒空の下、うかない表情でバイトに向かう途中だ。
まぁ物語と言っても、極々ありふれた物語である。
バイトと言っても極々ありふれたコンビニの夜勤アルバイトである。
先日誕生日を迎え、めでたく21歳フリーターとなった凌は
普段の楽観的な思考とはうって変わって焦っていた。
何に焦っているのか?と問われれば
「全部だよ!現状全部!」
とでも答えるのであろう。
人生における「今」とは
過去全ての積み重ねであることを無論、彼は把握している。
つまりは彼にとっての「今」の行いが
彼の「未来」に多大な影響を与えるということを理解している。
理解しているにも関わらず、だ。
惰性で続けているコンビニアルバイト生活も早3年。
高校を卒業したものの、進学する気も就職する気も起きず
何だかんだ学生時代の延長でアルバイト生活を送っていた。
そして流れ着いたこの現状に今更になって焦っている。
自業自得という言葉を辞書で引けば、きっと彼の現状と彼の苦笑の写真が一緒に載っているに違いない。
ここまでは有りがちな設定だろう。
有りがちなフリーターの半生。
本題は、と言うか、問題はここからである。
彼は患っていた。
中2病を。
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