拾った烏との奇跡の1ヶ月
ぷわぷわ
プロローグ
プロローグ
俺はカラスを拾った。
そのカラスは小さくてまだ子供のようだったがその身体には大きな傷がいくつもあり周りには親なども居ないきっと親とはぐれてからもうだいぶ時間が経っているんだろうと俺は思った。
そして俺は何故かそのカラスにくろと名前までつけて飼う事にした。その時カラスは少し嫌がっていた様な気がしたが、もう既に弱りきっている身体で抵抗するのは諦めている様だった。
それから家に帰って馬鹿みたいに自己紹介をした。
「俺は佐藤 優って言うんだよろしく」
もちろん返事などは返ってこない。相手は衰弱しきっていてさらにカラスなのだ。それでも俺は何か返事が返ってきたかの様に「そうかそうか」などといって頭を撫でた。
だが、そこからの生活が大変だった。まずカラスを飼っている人などそう居るものではないので餌の事や衰弱しているのの看病などの仕方が全くわからない、それに俺があげた餌も俺を信用していないのか極力食べない。この時カラスとはなんでも食べるイメージがあった俺はひどく困惑した。
そんな日々がはや二週間すぎてくろもやっと回復してきて餌も食べてくれる様になってきた。
「くろ美味しいか?」
「くわぁーくわぁー」
この時はすでに人の言葉を聞きとっているようでこんな返事までする様になった。
それから俺たちはどんどん仲良くなり、いつも後ろを付いてくるくろに俺が相談する事も多々あった。
「なぁくろお前がかわいい女の子とかだったら良いのにな」
思春期真っ只中を俺が唯一馬鹿げた相談をできるのがくろだったからこんなことを言うのも仕方がない事だったのだろ。
こういった相談などをするとくろはいつも身体を擦り寄らせて俺の腕に擦りつけてきた。
これが俺には大丈夫と言われてる気がしてとても気分が良かった。
だがある日俺がいつも通り家に帰りくろを呼ぶらだがいつもならすぐに飛んでくるくろが今日は来ない。不思議に思い俺がなんどか呼ぶがそれでも来ない。
(まぁいいか) そんなことを考えながら玄関で靴を脱ぎ部屋に入った時俺は絶句した。そこはもぬけの殻でくろは居なくなっていたのだ。
だが俺はその時疲れていたため周りを探しに行く気にもなれず家のベットで眠った。
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