第40話せかいについてぱーと2
しばらく口を閉ざしていた二人だったが、アイコンタクトの後、セアラが切り出した。やっと隠し事無しでいい相手と認めてくれたんだろう。
セアラ「お前達がこの世界に来た理由については、詳しく知らない。何せ、私たちも占い師から聞いただけなのだ」
ねこねこ「なんて言ってたの、その占い師さんは?」
ねこねこの疑問をその当時の占い師になり切って説明してくれる。
セアラ「『近いうちにNoahという異世界から来訪者が四人来る』」
オブ「『実力を見定めた後、手厚く歓迎するがいい。降りかかる災いを払うだろう』」
ロイオ「災い?」
ねこねこ「占い師っていうからには、ホントっぽいよねぇ。実際、ぼくらの件も言われた通りみたいだし……」
オブ「ゾンビたちの大軍勢がその災いだと思います」
セアラ「お前たちがいなければ、今頃この街はゾンビ共に食い荒らされていた。加えて、あの悪魔を退けることも叶わなかっただろう」
怪訝顔の俺たちに演技を止めて補足するオブとセアラ。
妙な違和感があったがまあいいか。
ロイオ「ふーん。じゃあ、俺たちはこの先好きにさせてもらうか」
しばらくはこの街から離れないだろうし……。
俺が、そういうとねこねこは何かを思い出したように、「あ」と声に出した。
ねこねこ「ねぇねぇ、そういえば、この世界に『魔王』っているの?」
ロイオ「あっ! そうだ……どうなんだ?」
一番確認すべきことを忘れていた。
何せ、これ如何によってこの先の選択肢が変わる。
オブ「え、ええ……魔物がいるんですから、その親玉の魔王もいますよ」
セアラ「それがどうかしたのか? そんなに血相を変えて……まさか魔王を倒す気か?」
オブ「まぁ! 確かにロイオさんたちなら出来そうです!」
彼女たちにはわからない。
異世界転生、転移ものにおいて、呼んだ側の目的の多くは――
『
その中でも、魔王を無事討伐して、元の世界に帰るという展開がある。
俺たちは元の世界に戻るつもりは毛頭ない。いや、戻りたくない。戻ったところで薄暗い部屋でひたすらゲームして、親のすねかじったり、長続きしないバイトして一日を無駄に過ごす日々だ。
ならば。
ロイオ・ねこねこ「「
絶対に帰らない。
この二人からは様々な糾弾を受けるだろう。だが、揺るがないぞ俺たちは。
オブ「……その心意はわかりませんが、私はお二人の意思を尊重しますよ?」
セアラ「今の魔王はそれほど世界征服に力を向けていない。どちらかといえば害悪なのは、スケベ小僧の方だ」
え、いいの……? 俺のさっきまでの覚悟は? てか、魔王よりも害悪なのか、うちのショタっこは……。
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