健全という嘘

また嘘を吐いてしまった

健全な家庭に育ち

健全な環境で暮らしていると

世間で言われる健全を言い張った

偽りの笑顔で

偽りを答えてしまった


本当は健全な家庭なんかでもなければ

健全な環境でもないけれど

健全ってなんなのか

自分で決めたのか

世間を気にしてるのか

分からないけれど

毎晩会うご近所の人に

嘘を吐いてしまった


怖かった

健全じゃないと思われるのが

怖かった

可哀想だと思われるのが

嫌だった

心配されることが


嘘は貫き通せない

そんなこと分かってる

親だってそれを分かっていながら

私に嘘を吐きつづける

嘘なんてすぐバレる

流れる血が同じなら

尚更すぐに分かるさ


また変なものを受け継いでしまった

こんなの棄てたい

嘘を吐くなんてこと

もうやめたい


嘘を吐いたら

人から離れなければならない

正直に話せば

可哀想だ 気の毒だと言われる


人それぞれの幸せ

健全なんてのも人それぞれ


でも

吐いた嘘を

嘘だと言える日は来ない

私はこの街から

姿を早く消さなければいけない

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